A24の映画「ライトハウス」が面白かったので、この作品に影響を与えた小説のひとつといわれているエドガー・アラン・ポーの短編小説「灯台」を読んでみました。いろいろ探してみたけど、新潮文庫の「ポー短編集Ⅲ SF&ファンタジー編(巽孝之訳)」が手に入りやすいものみたい、税別490円也。
この作品はポーの遺作で、書き途中なのかほんとうにプツリと物語が終わっている。「登場人物も出揃った、舞台設定も十分みんなに伝わったよね、さぁ始めるよ!!」というところで鮮やかに終わっている。ポーのことだから狙って書いたのではないかと思うくらい。見事。
このたった4ページの物語が、さまざまな分野のいろいろなクリエイターが心かき乱され、想像の翼を広げたくなってしまったのも無理もない、ポー以降の作家たちのこの作品への関わりについては本書解説をお楽しみくださいませ。まさかゴジラまでつながっていくとは! まずはレイ・ブラッドベリの「霧笛」からですね、はい読んでみます。
表題の「大渦巻への落下」はノルウエーのロフォーテン諸島モスケネス島近辺を舞台にした作品で、よくそんな土地の話をアメリカ人のポーが描いたものです。欧州旅行とかしたのかしら。それにしたって、ロフォーテン諸島なんてよっぽどのことがないと足を運ぶこともなさそうな土地だと思いますが。
さて、映画「ライトハウス」があまりにも強烈だったので、鑑賞後、日を改めてパンフレットを買いに日比谷まで行ってきました。伊藤潤二の漫画がよかったし、巻末の映画監督小林真理さんの徹底解析も興味深いものでした。もう一度見たい、ライトハウス! ブォエーーーーーー。