俳優や監督によって必ず見る映画ってあるじゃないですか。クリント・イーストウッド監督作品はなにをおいても必ず見るとか、ライアン・ゴズリング作品は監督によっては見ないとか、Amazon Prime Video でウィレム・デフォーが出演しているのを見つけたら必ず見るとか、長谷川博己はシン・ゴジラで初めて素敵な俳優さんなんだと知ったけど『はい、泳げません』の予告では、水泳パンツを着用した長谷川さんの肌が白すぎて目のやり場に困ってしまうし、じゃぁ共演の綾瀬はるかを見てればいいじゃないってそっちに目をやると今度は綾瀬はるかの白くて豊かなあのそのな上半身に釘付けになってしまうし、一体誰のための映画なの、白さがまぶしすぎるの、『はい、泳げません』、目のやり場に困るの、『はい、泳げません』。
私の中では、是枝監督作品は配信でいいや監督なのですが(「誰も知らない」は劇場で見た)、ソン・ガンホはできるだけ劇場でみたい俳優なので映画館で見てきた。是枝さんが是枝さんの制作陣を引っ張って韓国を舞台に韓国人俳優を起用した映画かと思っていたけど、韓国の制作する映画に是枝監督を呼んで作った韓国映画だったんですね。オープニングの制作会社のロゴで「あ、そうだったのか」と気が付きました。韓国映画界が胸を貸してくれたのかな、という。ソン・ガンホも出ているし、カン・ドンウォンも出ているし、舞台は釜山とソウルだけど、ほんとうに是枝作品でした。
監督が切り取った韓国の風景は新鮮で美しかったし、ピアノもよかったです。いつもなにかもぐもぐ食べてる女刑事たちも、イケメンでならしたんじゃろうなぁというカン・ドンウォンも、芸達者なちびっこ俳優さんも、クリーニング屋の親父を演じるソン・ガンホも味があってよかったです、くるくるって玉を作ってボタンを縫い留める愛らしさときたら。冬の夜明けのような曖昧とした光の中で物事が進んでいくような物語でした、夏の話だと思うけど。
あとあの3番目の裕福そうな夫婦、ソン・ガンホたちに接触することなく合法的に養子をもらうことができたのではないでしょうか、どうでしょうかっ!