しびれた! - アメリカン・ギャングスター -


今週木曜で終わってしまうというのであわてて行って来たよ、
アメリカン・ギャングスター。
リドリー・スコット、細部にわたって妥協無しっす!
スガデミー賞・衣装デザイン賞を授与しますよ。
劇場で見るべし! 映画好きなら見ておこう!
以下丸々ネタバレです。


・イタリアン・マフィアのお屋敷にいって、クレー射撃(?)する場面。デンゼル・ワシントン、アーマンド・アサンテ二人が着ているジャケットが素晴らしい。あの革のあて具合とか、タックの取り方を見て、どきどきする。物語の舞台、1970年初頭は、まだまだ大人たちがきちんと衿のあるジャケットを着て、ボタンのあるシャツを着ていた時代なんだと見つめる。あの時代は、最後の品のある装いの時代だったのかもしれません。
・デンゼル・ワシントン(以下、役名の「フランク」でいきます)は、たたき上げのマフィア。普通に商いやっても成功しそうな自分に厳しい魂の持ち主ではありますが、そりゃあぁたそうはいっても彼はギャング。彼が目をつけたのは、東南アジアで作られる純度100%のヘロイン。それをアメリカに持ち込み、自分の正体はたくみに隠しながら、よいものをよりやすく売りさばき、ファミリーは大きく成長してゆく。彼はいい素材・いい仕立てのものを着てはいるけれど、きちんとした身なりで控えめに静かに暮らしているので、まわりの人には誰がその元締めかなかなかわからない。
・ある日恋人エヴァから、チンチラのロング・コートとそろいの帽子がフランクに贈られる。こんな派手なものをと思いながらも、恋人に気を使い、それを着て出かけたフランク。当時の時価で一千万円に近いお値段だったと思いますが、この悪目立ちが命取りに。悪目立ちこわいねー。肝に銘じておきます。
・ベトナム戦争の描写が効果的に挟み込まれていて、ものすごい臨場感が。たまりませんわー。密林の謎のヘロイン王とかもステキでした。
・ラッセル・クロウ(以下役名の「リッチー」でいきます)は正義の塊の苦労人、そして麻薬特別捜査班の一人。頼りなげなアル中もどきの仲間とともに捜査を開始するわけですが、この人たちが最初の印象と違って結構働くの。そしてあの悪目立ちチンチラコートを糸口に、とうとう麻薬王フランクを追い詰めていくことに。
・教会で祈りをささげるフランク。アメイジング・グレイスの合唱流れる中、ドアをあけるとそこには初めて顔をあわせる(以下略)、そして物語の最後、ヒップホップで終わる場面、価値観ががらりと変わった世界に佇む主人公の姿が印象的。
・音楽が効果的でしたよ。ものすごく! エンディングのヒップホップもね。もうね、110thストリートをどうたらこうたらするって聞いただけで、なにかの琴線がばらーっと解けてゆくのよね。
・あとね、衣装が本当に妥協なくきちんと用意されてるの。ちゃんとした大人は、ああいう服を着ていたなーという記憶を呼び起こさせてくれるのよ。特に恋人エヴァの衣装とか、ノースカロライナから呼び寄せたお母さんが洋服でどんどん洗練されていくさまとか。んもうー。
・エンドロールの最後のシーンも印象的。この場面が予告で使われていたような気がします。
・本当に面白い映画でした。久しぶりに喉が渇きましたよ。
・そして格好のいい映画でした!

2 COMMENTS

カヲル

スガのためにあるような映画じゃよ。
基本的に双方の主人公がよかったですね。
NYの汚職ってそこまで酷いものだったのかと
たった30年くらい前なのにと思いました。
時代的にはゾディアックと同時期ですね。

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スガ

いやーんもーよかったよ、劇場で見て!
しかしNY市警ひどいね・・・
あれが実話だからってんだからすごいよ。
覚えておきたい名台詞がたくさんありましたし。

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