吹き降りや故郷を捨てた人に春/映画「最終目的地」


パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

¥ 3,652

(2013-04-12)

 
コロラド大学の教員オマーは、自殺した作家ユルス・グントの伝記執筆の許可を得るため南米ウルグアイに向かう。辿り着いた人里離れた屋敷には、作家の未亡人、愛人とその娘、兄とそのパートナー達が暮らしていた… 名匠ジェームズ・アイヴォリー監督が手掛けた文芸ドラマ!
飯田橋ギンレイホールで。あらすじはギンレイホールのサイトから。原題は「The City of Your Final Destination」、ですんで、今回はこんのゆるふわ邦題がぁぁなどとうなったりしません。
自殺した作家ユルス・グントの兄をアンソニー・ホプキンス、そのパートナーを真田広之、作家未亡人をローラ・リニー、作家の愛人をシャルロット・ゲンズブールが演じます。
 真田広之がっ、アンソニー・ホプキンスのっ、愛人役っ!!!!
日経新聞金曜日夕刊の映画評の欄は結構信頼してて毎週楽しみにしてるんだけど、本作品公開時に「すんごい緊張したけど、すっごい体験だった!!!」とキラキラした目で語ってるご本人の談話が掲載されてたのを鑑賞中にちらりと思い出したりした。
真田広之演じるピートは徳之島出身、15歳の頃、ある英国人に見初められイギリスに連れていかれそこでアンソニー・ホプキンス演じるアンソニーに出会い、ウルグアイの大農場で暮らすことになる。元来働き者で目端もきく真田広之を、アンソニー・ホプキンスは「こんなところにとどめていちゃいけない」と常々思っているものの、2人はなかなか離れることができない。
 「ピート、こんなところにいちゃいけないよ」
 「アンソニー、僕はもう40歳だよ。ここでこう暮らしていたいから、ここにいるんだ」
 真田広之はっ、40歳の設定でしたかっ!!!
シャルロット・ゲンズブール演じる作家の元愛人アーデン、花柄のワンピースに乗馬ブーツでずっかずっかと農場で暮らしてる。突然やってきたコロラド教員のオマーと話がはずみ、「あら、私達、同じ28歳なのね」。
 シャルロット・ゲンズブールはっ、28歳の設定でしたかっ!!!!
 私と同世代でしたよね、同世代でしたよねーーー!!!
この映画に出てくる人たちはみな故郷を持たない。オマーの両親は中東からの移民、アンソニーの両親はドイツから逃げてきたユダヤ人、ピートは徳之島には帰らず、アンソニーにいたっては帰るべき祖国がない。そんな大人たちの漂うような人生に一瞬魅了される。とってもエレガントな大人の映画。地球って、私が思ってるよりももっと狭いのかも、と旅心を掻き立てる作品でもあり、小説みたいな夢みたいな映画でしたよ。

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