町田康の「宿屋めぐり」

 
私は文庫版を買ったけど、ハードカバーで読んだ人は大変だったろうな。
ハードカバーで600ページ超、文庫版で736ページ、長いねぇ。
執筆7年。新たな傑作長編小説の誕生!
主はいつも言っていた。「滅びにいたる道は広く、光にいたる道は狭い。おまえらはいつも広い道ばかり行こうとするが、それは天辺から誤りだよ」
主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、「偽」の世界にはまりこむ。嘘と偽善に憤り真実を求めながら、いつしか自ら嘘にまみれてゆく彦名の壮絶な道中。その苦行の果てに待ち受けるものは。
俺は俺の足で歩いていくのだ。俺の2本の足で正しい道を。

深読みしようと思えばいくらでも深読みできる要素を町田節でぶちまけて(もちそん、それらにちゃんとそれぞれ意味も狙いもあるのだけど)、なんとそれは最後の16ページのためだけの前フリでした、というお話。読んで面白かったけど、うーん、「告白」ほどの完成度というか、作家としての到達点的なものはなかったのかなぁ。それは私の魂に響かなかったとかそういうわけではなく。
このサイトが愉快です。
http://d.hatena.ne.jp/kajika_eps/
町田康と西村賢太の2ショット
http://d.hatena.ne.jp/kajika_eps/20110215/p3

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