ゴールデンエイジはどの世代にも/映画「ミッドナイト・イン・パリ」


なんと!私の人生初のウッディ・アレン映画!!!
飯田橋ギンレイホールで。
リッチな両親を持つお嬢ちゃん・イネスとの結婚を目前に控えた主人公のギルは、イネス家の面々とパリに滞在することに。実業家のイネス・パパは、ハリウッドのゴースト脚本家として稼いでいるギルを「収入面では問題ないのだが」というものの全体的には頼りなく思っている。イネス・ママは、エトゥープ色のオータクロアを持つしゅてき・アメリカン・マダム。
ギルは、ゴースト脚本家を卒業し、小説家になりたいと考えているが、イネスは「大した稼ぎになりそうもないから、そういうのやめてよね」と一刀両断。1920年代のパリを憧れてやまないギルは、「結婚したらパリに住んじゃおうよ!」というのだが、「アメリカ以外に住むとかありえないし!!」とまたもやザッパリと。そんなパリ滞在中に、ギルはちょっとした時空のいたずらで、彼が愛してやまない1920年代にタイムスリップしてしまい・・・
エンドロールでなんでかほろりときたんだけど、チャーミングで愛らしい映画でした。
パリに行かなくっちゃいけないわね!
ギルは、1920年代のパリを『ゴールデンエイジ』だといい、タイムスリップした1920年代に会ったアドリアナは、ベルエポックの時代こそがゴールデンエイジだという。どうもパリの街は、愛してやまない時代を持っている人にやさしい魔法をかけてくれるようで(※ただしウッディ・アレン映画に限る)、アドリアナをベルエポックの時代に招待してくれる。ベルエポックの時代ではロートレックやゴーギャンに出会い、彼らは「今はひどい時代だ、ルネサンスの時代に生きていれば!」などという。あぁ、人は現世が辛いので、ちょいと前の時代がよかったように見えるのよ。アドリアナは「この時代に残りましょうよ」とギルを誘うが、「その他いろいろな事情があるけれども、抗生物質もない時代で暮らせないよ!」と応え、彼女と別れを告げる。
わかるなー。
「三丁目の夕日の時代はよかった」というご年配のご意見をたまに聞いたりしますが、高村薫の「晴子情歌」がちょうどその時代を描いていた。私の生まれるちょっと前の時代だけど、多分、暮らすのは無理。子供が被害者となる犯罪も多かったみたいだしね。ちょっと前の時代って、ちょっとよく見えちゃうけど、それでも粛々と生きろ、というウディ先生からのメッセージだと捉えたよ!! この前、税理士さんところでも「粛々と生きましょう」と言われまして、「えぇーん、そんなのつまんないですよぅ」と喉元まで出掛かったんだけど、あたいも大人なので我慢したよ。
さて、大統領選の結果がそろそろ出るのかな。

3 COMMENTS

ふなき

ちょっと前の時代は良かった。うんうん、よくわかる。自分が一番イケてた時代って、良く見えるものだし、その頃の憧れの先輩方が若くてイケてた時代っていうのも、憧れの時代になるもんねえ。1920年代のパリが出てくるあたり、面白そうな映画ですね。
それにしても、主人公が、そこまで価値観というか、何に重きを置くかの基準が違う人と結婚しようとしているってのがよくわからん(映画観たらわかるのかもしれませんが)。お金とか物品面での充足を求める人と、夢や憧れに重きを置く(霞食っても楽しく過ごせる)人は、どこかですれ違ってしまう気がするのだが、どんなもんでっしゃろ?

返信する
スガ

彼氏はゴーストライターで稼ぎがいいという触れ込みだったんだけど、多分、彼女好みの華やかさがなかったんだろうねー。でも、じゃぁどうしてそういう「好みじゃない」人と一緒になろうとしたのかは、私もちょっと謎だった。
映画はチャーミングよ。「おぉ!リアル・ヘミングウェイってこんな感じ!?」とか「案外、ピカソってこんなんだったろうなー」とかそんなところもぜひー。2時間ない映画なので、お酒飲みながらぜひゆるりと!

返信する
フランクリンプランナーに挑戦中

この映画観たかったんです♪ウッディ・アレン氏は、名言などの本から知ったのですが、知れば知るほどファンになり、映画がとても気になっていました★いくつも作品があるみたいなので、まずはこの映画から見てみたいと思います。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください