レオナルド・ディカプリオがアカデミー賞で主演男優賞とったでー!わしはこのレオナルド・ディカプリオが一番好き。
監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥも監督賞とったでー! 悲惨さでいったらこちらもおすすめ。
撮影のエマニュエル・ルベツキもこの作品で三年連続撮影賞受賞したでー!ゼロ・グラビティのおっちゃんやでー。
そういった事情であればふかふか座席の小学校のプールみたいなサイズの大画面でどっしりと見るしかなかろう! わたくし、こういうゆったり観賞したいときは有楽町の日劇で見るのが好きなんざんす・サンダンス映画祭。1000人近く入るホールで、7.20×17.30m の大画面、昨年「バードマン」でくらくら酔ったあの撮影を大迫力に観賞しましょうと、今日の最終回に行ってきました。あぁっ、日劇の椅子ふかふか、の年齢層も高め、安心どっしりの映画館でございます。
この作品の前情報といえば、ディカプリオがクマの毛皮を着てること、トム・ハーディが撮影終了後、スタッフみんなに配った打ち上げTシャツが、自分がイニャリトゥ監督の首をぎぃぃぃーと絞めてるデザインだということ。ナミビアの砂漠でえらい目にあって、ディカプリオがクマの毛皮を着るような極地でもえらい目にあって、トム・ハーディさんも大変な人生ですよ!
トム・ハーディは自分がイニャリトゥの首を絞めているTシャツを作って、「レヴェナント」の撮影みやげとしてクルーに配ったらしい。 pic.twitter.com/3Z3ZaVXFjy
— kingink (@kingink_) 2016年4月24日
それでは、映画のネタバレは猫ちゃん創世記Tシャツのあとで。見ようか見まいか迷ってる人がいたら、「1800円払う価値は間違いなくございます。こんなプロジェクトを完遂させただけでもイニャリトゥ監督に監督賞をあげたい気分です」とお伝えしたい。DVDで見たらダレちゃいそうなので、ぜひ劇場で!
■このTシャツ、ウカリエイト経由で複数枚売れてた・・・・セガール猫需要・・・・
で、映画の話です。
物語が始まるところ、森自体が川となってせせらぎの間に樹木が立っているシーン、「あー、アラスカでこういうの見たことあるー」と思ってみてましたら、ロケ地はイエローストーンなどの極北の地だったのですね。うぉぉぉ、アラスカ欲をこんなところで満たされた!
http://top.tsite.jp/entertainment/celebrity/i/26792942/
『レヴェナント』の撮影は当初、カナダのカルガリーで撮影を予定していたが、雪が一気に溶けてしまったため、制作チームは撮影開始直前になってアルゼンチンのティエラ・デル・フエゴに移動しなければならなかった。
森自体が川になるとはこういう風景です。フェアバンクスから100kmあたりでこの風景。
アルゼンチンのティエラ・デル・フエゴってここですよ!極北の地じゃないすか!
しかしこのせせらぎの森のシーンは物語の序の口、晩秋の光に満ちた穏やかな季節、冬の足音はこれからというとき、このあとディカプリオ一行はえらい目にあうのです。ヒュー・グラスという実在した探検家がホニャララにホニャララされた身の上でありながら、情け容赦無い真冬の北米大陸の320kmという距離を這うようにして一人で生還した物語です。物語的にはここらへんの話みたいです。
ほんでまぁ大変なロケ地を渡り歩き、大変な思いをしたディカプリオ氏が、蘇っただけじゃなく、どえりゃぁことを成し遂げる物語です。アイアムアヒーローの肩に力が入りぱなしだったのとはわけがちがいます、「うぉらー、見やがれ俺の資金力!映画力!プロジェクト力ぅぅ!」というイニャリトゥ監督の雄叫びが画面の奥から聞こえてくるのです、監督の本気に見る側も156分間本気で答え続けたものですから、そういう意味で普段使わない顔の筋肉を使う映画でした。
「定価1800円のアイアムアヒーローに保険の思いで1100円の日に行くのは合理的な選択なんだけど、この映画も定価1800円でいいの? 映画の日に来ちゃって1100円で見たけどいいの? 同じ映画なのにこんなに密度の違いがあっていいの? 大変な苦労をされてこの映画は完成しましたよね? いやいやいやアイアムアヒーローはまだ頑張ってた(頑張ったのは韓国の映像技術陣と大泉洋とゾンビの皆さんだったんだけど)、頑張っていたけれども!」
見終わっって映画から繰り出された圧倒的な情報量に力を奪われ物語の余韻を味わっているときに、エンドロールの坂本龍一の音楽が流れてきて、ひどい言い方ですがこれで現実に引き戻されました。なんかほんとうにおんなじようなチェロとピアノの楽曲が多いのね。うんざりですよぅ。
ルベツキさんの撮影はやっぱりすごかった。ディカプリオやトム・ハーディの髭の一本一本が間近に感じられる演者たちの息遣いが近く感じられました。あの「近さ」といったらちょっとただごとじゃないね! いやもうほんとうに、ディカプリオはタイタニックの撮影時にも「もうびしょ濡れでいやだ!」と言ってたのに、この年になってまたえんらい目に。いやー、タイタニックの撮影のがなんぼか楽だったよね、この作品に比べたら。
動物が好きな人は、特に馬が好きな人はこの映画はきついかも。私はちょっとつらかった。撮影時に一頭も死んでないといいな。
R15とのことでしたが、アイアムアヒーローのR15とはまた毛色が違うレーティングっぷり。グロいとかではなく、生身の人間の体でそこまでやりこむのですか、という練り練りメイクの連続! 痛そう、いやー、やめてー、そこはほんとに痛いって、と目を背けたくなるシーン満載。世の中には二種類のR15があるのです、おもちゃみたいなR15とそうじゃないものが!
ホニャララにホニャララされ瀕死の状態になり、しかも仲間とはホニャララしちゃって、そのあともホニャララな目に遭い、どんぶらっこっこと真冬のミズーリ川を泳いでくだり、ひとっこひとりいない絶望的に広大な雪原を骨折した足をひきずって歩く、ここまで頑張ったレオナルド・ディカプリオに主演男優賞をあげなくて一体誰にあげられたのでしょう! またアカデミー賞受賞の際のコメントがちょっといいこちゃんぶってましたが、そうならざるを得ない作品だったとあたいも見て納得。大変な情報量で見終わってぐったり。この映画の撮影日誌があったらぜひ読みたい、よくこの事業をまとめあげたなっていうだけでも監督賞あげたい、監督賞っていうか「マネジメント賞」とか「制作賞」とかそういったたぐいの賞を・・。
モデルになったヒュー・グラスのウィキペディアの項目も大変におもしろい。英語版も長く大変な人気者であることがわかります! この原作をイニャリトゥ以外の監督が担当したら、ヒャッハーなアクション超大作になったかもしれないのに、イニャリトゥ監督作品ですから大変に重い長い、重くて長い、ほんとうに重くて長い長いお味に仕上がりました☆ ロケ地巡礼もぜひしてみたい、ご興味持たれた方、都内で一番大きなスクリーンでぜひぜひ!!!
これほどまでに「大画面で」と書いてあったのに、すみません、飛行機の機内上映で見ちゃいました…
「昨年度一番大変だった俳優さんで賞」に一票!
まぁ!国際線でどちらに行ったのかしら!あれは大画面で見ないと撮影賞の価値が・・・。私は「セッション」を機内放送のへっぽこ翻訳とへっぽこ音響で随分損しちゃったなーと思いました(かといって、映画館に足を運びませんでしたが)(あんであんなひょろっこい男子がジャズドラマーやってますのんという違和感が抜けきらずというのも)
ハワイ行の機内映画で見たのが「レヴェナント」と「アメリカン・スナイパー」。ちょっと選択間違えたかも…
昨年夏ご覧になっていたのでしょうか。日本でなぜこんなに上映がおくれるのか・・・・日本語障壁か・・・・