選挙の前に

日経新聞の日曜版に「日曜に考える」というコーナーに「経済史を歩く」という連載記事があります。「いま起きている出来事には出発点がある。源流をたどると忘れていた断面が見える。」というテーマの連載で、昨日は、「兼業農家時代へ(1970年) 稲作に機械革命 人手減るも土地集約進まず」というものでした。ここがまたある年代にはじわりとくる内容が続いてまして、
・NTT株上場(1987年) 大衆投資家の熱狂
・サミット発足(1975年) 日米欧の枠組み整う
・日米自動車摩擦(1995年) 貫いた原則論
・トイザらス上陸(1991年) 流通帰省に風穴
・インターネット始動(1984年) 米国発の通信革命
・国鉄分割民営化(1987年) 国営企業再建のモデル
・拓銀破綻(1997年) 公的資金の導火線
・赤字国債発行(1965年) 深き淵へ 解かれた封印と通した筋
などがあるのです。なんというのでしょうか、日経版「その時、歴史が動いた」ですな。
上の「兼業農家時代へ」は農耕機の改善により労働を集約しより生産性の高い社会を目指したものの、農業から別の産業界へ人口が流出、結果、農業以外の所得が高い第2種兼業農家が増えた。農業の未来を描いた人が望んだ世界がこれだったのか、という文章で結ばれている。
政治家だけでなく、その時代に立ち会った様々な人々の連続した判断の結果、今の日本を作ったのというのであれば、なんとも無力感を覚えるものですなぁ。うぅー。でもあの政治家がなに言ったかどう考えてるのか、腹の底は何色なのか、せめてまともな人格なのか、あるいはまともな知性は持ち合わせているのか、くらいは自分で調べて決めなくちゃねー。その点、今はネットがあるから、過去の会見の模様などを見られて助かるわね。私は橋下さんのワンフレーズっぷりが、小泉さんの姿にダブってしまってしかたないわよ。
新・リア王は全然終わりそうもないので、選挙前にこれを読んでる。「バカをつくる教育」で作られた「バカが選んだ政治家」もやっぱりバカで、合理的な考え方をする人が誰もいなくなって、それでも選挙はやってきた。さてさて。
Amazon には紹介がなかったので、平成考現学の章立てだけご紹介しときます。
・ああ、勘違い国民
・バカをつくる教育
・バカが選んだ政治家
・お役所仕事は高くつく
・21世紀の世界の現実
・ニッポンの処方箋

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