上野なるターナー展を見てきたよ

行ってきました履歴です。

『ターナーといえば海の絵じゃないですか! 見てごらんなさい、この荒れ狂うイングランドの西海岸の景色! この絵を描いてから百数十年後、この海岸にジプシー・デンジャーがやってきて、散歩途中の老人が見つけるのですよ、そうざますよ!』、などと心の中でツッコミ入れながら見てきました。ターナーという人は大変長生きした人で、初期は地味めな水彩画、イタリア・スイスに旅するようになって見聞を広め畏怖さえ抱かさせる自然を思い切って描き、ナポレオン戦争の時代を生きイギリスの勝利を描き、晩年は思い切ったほわわわーんとした絵を描くようになります。


これは、その晩年の作風を予見させるかのような「色のはじまり」という作品。ほわわーん。
あらかわいい!


印象派を三十年も先取りした「吹雪」。当時は酷評されたそうです。

Wikipedia によるとこんな記事が。

生涯を通じて5回から7回の画風の転換があったと言われる。5回であるとすれば、第一期は、主題が中心に描かれた風景画の時代、第二期は風景の中心に広い空間が開けてくる時代、第三期は開けた空間に光が現れた時代、第四期はその光の中に何らかの姿が描かれた時代、そして最後は風景全体が光で満たされた画風である

数年前に新国立美術館でアボリジニの作家エミリー・ウングワレーの展示を見ましたが、彼女のことを思い出しました。彼女の晩年の作品もとても安らかで明るい光に満ちたもので、終わっていく人生を淡々と見つめているように感じられました。最後に、光を。そういうふうに私も年を重ねることができるのでしょうかのぅ。

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