実業家を名乗って複数の仕事を抱えるマイク(チャニング・テイタム)は、夜になると男性ストリップクラブ「エクスクイジット」のスターダンサーとして活躍。ひょんなことから知り合った、19歳のアダム(アレックス・ペティファー)に女性を惹(ひ)きつける天賦の才を見いだしたマイクは、彼をクラブへと連れていく。異様な世界に驚きながらも、ステージに上がった彼は女性客たちの圧倒的支持を得てダンサーの一員に。弟分のようなアダムの面倒を見てやるマイクだったが、彼が金の絡んだトラブルに巻き込まれたのを知る。
そのマイクが勤めるストリップクラブの経営者が、マシュー・マコノヒーです! 先週、フロリダの湿地帯で惨殺された(※ペーパーボーイズ 真夏の引力)マシュー・マコノヒーがっ、ダンスの途中でベリっとはがすと、あら不思議! 男性のシンボルが際立つ不思議なおズボンを履いて熱演します。
物語は、クラブの経営者であるマシュー・マコノヒーが「まっ、奥様っ、はしたない!(顔を掌で覆いつつも、しっかり目のところは開いてる)」お召し物で「へーい、お嬢様方ー、僕らに触っていい場所と触っちゃだめな場所があるけどおさらいしようかー?」と客席とコール・アンド・レスポンスするところから始まります。そしてマイク(チャニング・テイタム)の物語が挟まれるのですが(彼が主役☆)、100分近くに及ぶ主人公の恋物語やらチンピラ物語やらを全力でぶっ飛ばす勢いで、エンディングに再びマシュー・マコノヒーの激しいパフォーマンスが! いやーそれまでの豚飼ってる謎の美女とか、チンケな売人同僚とか、二十歳前だけど無駄にセクシーなアダムとか、医療事務の手堅いそのおねえちゃんの堅実なビキニ姿とか吹っ飛ぶ吹っ飛ぶ。主役はチャニング・テイタムですけど、まーワタシ的にはふっとばされる、ふっとばされる。中日のキャンプを見てるギャルたちが「浅尾きゅぅーん」とか言ってる最中で、昌が一人で黙々と投げてる第二キャンプ地にタクシーすっ飛ばすくらいふっとばされる。
マシュー・マコノヒーさん、すごいね!!! あんた何者なの!!!!
飯田橋のギンレイホールさんは、2週間毎にギンレイさんなりの哲学でテーマを設定し二本立てを組むのですが(たとえば、フランス映画しばり、人権問題しばり、良作邦画しばり、戦争しばり、などなど)、今回の「ペーパーボーイズ」と「マジック・マイク」の組み合わせは「フロリダしばり」だと思っていたのです。が、多分、違います、これから公開の「ダラス・バイヤーズクラブ」で、ギンレイホール的には、マシュー・マコノヒーが主演男優賞とると思うから、その予想を反映しましたよ、ってことだと思います。「ダラス・バイヤーズクラブ」ではHIV患者を演じきるため、50ポンド(22kg)の減量をしたというではありませんか。早く見たい作品のひとつです!
本作は一言でいうと「歩き出せとっとと自分の人生を」という作品です。今回は、アダムのおねえちゃん役のコディ・ホーンさんにぐぐっときました。6年間っ、ストリップやってお金貯めましたっ、本当はっ家具デザイナーになるのが夢なんですっ、貯金は総額13,000ドルですっ(どやっ!)、ほらほら融資してくださいっ!、・・・・てあんた、6年間、複数の仕事をかけもちして貯めて130万ですよ!? あれだけ効率よく派手に稼いでいたらもっと貯められましたよね? なんで独立の夢見てる途中で新車買っちゃったの? なんで二階のあるような豪勢なアパートに住んじゃってるの? お金溜めて独立したかったらもっとそこらへんはシビアにならないと!、などと・・・。
日経の映画評を読んで、私もギンレイのセレクトは、この布石だったのか!と思っていたとこでした。すんごいハンサムってわけじゃないけど、なぜか気になる存在感。「評決のとき」も見たいものの一つ。
あのアメリカ中年男性特有の『絞ってはいるけれど、腰骨まわりの肉付きは隠せない』な感じが最高でした。
どうなりますでしょうかね、今年のアカデミー賞は。
あとギンレイホールさん、スタッフ募集してます。
気になる方はぜひー。
http://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-133846-5-1-1/?af=&ty=0