今年の初春、というか2月に、岐阜県神岡町及び山之村地域に取材に行きました。本日はそこの食材を使った試食会に、バイトのW嬢と行ってまいりました。試食会・・・なのに、なんだろうこのゴージャスさ・・・。
試食会会場は西麻布のマリオ・イ・センティエリ、山之村の素朴な食材が、シェフたちの魔法にかけられて、ウマー!なイタリアンに。手前のフォカッチャは、山之村の春菊入り。先週仕留めたばかりというイノシシのロースとかも頂戴しまして、はわわ、いのちをごちそうさまでした。
彼の地は、冬の間寒晒しする「寒干し大根」というものが有名です。地元の方は煮物にして食べるのですが、それがマリオさんのお店では、なんとリゾットに! 大根の旨みがぎゅっと凝縮された寒干し大根のひとつひとつが、貝柱と同じように働き滋味深い味を生み出す、というわけです。出されたお料理のすべてがおいしかったのですけれど、同じ素材をきちんとアレンジし、魅力を100%以上引き出すプロの料理人というものは、まことにすごいものだな、と。梵天丸もかくありたい。
神岡町つながりでカミオカンデの小柴先生も奥様といらしゃっていた。お元気そうでした。
その後、ミッドタウンに移動。途中で出会った猫兄弟。
次は、THE COVER NIPPON で神岡青磁の作家さんトークショー。その出張の際、立ち寄った骨董品屋さんで青磁の動物の置物に出会いました。少し茶色がかった青磁でかたどられた愛らしいリスの置物で、あまりの愛らしさ、清らかさに「ぎゃあああ」と叫びながら購入。こちらが↓そのリスたん。
あとで聞いた話では、作家さんも、作家さんのお師匠さんも、実はそれほど反応があるとは思ってなくて、品物を見た女性たちが一目見て購入した話を聞き、「あれで喜んでくれる人がいるの?」と嬉しく思い、じゃぁもっと作ってみようかな、と挑戦されたそうなのです。うるる。作家の花岡真一さんは、9歳のときに小児がんにかかり10年の闘病生活を経て、「生きる喜びを求め」切り絵・木工を始めたそうです(こちらに作家さんプロフィールが ※PDFです)。この青磁の置物から醸しだされるなんともいえない清らかさはそこらへんからでているのかしら、と・・・
で、本日もまた、トークショーの後、「ふんぎゃー!」と叫びながら小鳥と猫を買ってまいりました。叫ばないと買い物ができない。。。11月20日までミッドタウンのTHE COVER NIPPON さん店頭でご覧いただけますので、お近くに行かれた方はぜひ!
最後に青山ゑり華のバーゲン会場へ。前から目をつけていた松阪縞と手引き片貝木綿をあててもらって、ふんぬーふんぬーと悩む。どちらもマニアックな木綿でのぅ、あぁもうどうしたものかと。次は琉球美絣の縞を狙っているのじゃが、1年に十反織り上がるか織り上がらないかとかで、気長に待つときめたところ。
そんで、ゑり華のシャチョさんに「カミオカンデの小柴先生がいらしてたのー」という話をしまして、話は量子力学の世界から呉服屋へ転じた青年の話を。
「ニュートリノは、今この瞬間も私たちの体を通過していっているんだけど、一日にキャッチできるのはわずか3~4個。実家の呉服屋継いだその子は、『今日もお客さんがニュートリノ以下だった!』って言ってましたわー」
おぅ、これからはちょっとさみしげなお店をニュートリノと呼ぶことにしよう!
そんな奥飛騨・神岡・山之村三昧な一日でした。これから仕事。