幸せの青い鳥ならそこにいた/探してたグラスが見つかった話

ちょっと前に諸般の事情で家から車で10分のリーガロイヤルホテル東京に泊まったんざます。そこの客室にあったグラスが大変よござんした。飲みきりサイズの掌に収まる大きさ、程よい大きさのカットとシンプルな造作に一目惚れ! うぉぉーこれじゃぁー私が探してたグラスはこれじゃぁ! 出会え、出会え、皆の者出会えー! 長年求めていた姫がここにいましたぞよ! 大げさな品物じゃなくて、さりとて飾り気がないわけじゃなく、ちょうどいい感じの、そう、女優さんでいったら小池栄子さんみたいな、そんな感じのグラスが、そこにあったんじゃー!

客室で使うものなのでびっくりするような価格のものではないでしょう、カットの具合からいっておそらく国産のものでしょう、あとはこのグラスを探すだけっ! ・・・・などと思ってAmazonや楽天を見たり、東京ドームのテーブルウェアフェスティバルで探したり、雑貨屋さんを見つければ覗いたりしてみたのですが、なかなかない。クリスタルでは繊細すぎるし、フランス製の未来永劫飽きの来ない頑丈なグラスでもちょっと物足りないし。

今週の日曜には銀座の松屋でそれに近いものを見つけお財布を一瞬開きかけたのだけど、いやいやいや、あのガラスの靴を履いていた娘さんはこの子じゃない、妥協するな、とググっと我慢し、月曜には青山で「この変な手描きイラストさえなければサイズ的にはドンピシャなんだが」というものを見つけたが、いやいやいや、この子もあのガラスの靴を履いていた子ではないんじゃ、買ってはならぬのじゃ、と首を横に振ったわたくし。そして今日、火曜、神楽坂でとても素敵なお仕事の打ち合わせをして皆さんと解散したあと、その喫茶店の目の前にある地元の陶器屋さん「丸岡陶苑」さんの看板が目に入った。

丸岡陶苑さんって、一脚500円のお手頃シャンパングラスやムーミンのミーのマグカップがあるかと思うと、がっつり九谷やごっつり有田、お高いしゅてきな江戸切子(たまに薩摩切子も)なんかがずらっと並んでるラインナップの幅がたいそう広い昔ながらの陶器屋さん。いつも季節感あふれる素敵なかわいらしいディスプレイをされているの、そのディスプレイの一角だけはシャッターも閉じられず夜の間も愉しむことができるのよ。「早稲田の姫がいるとは思えないけど、ここのグラス売り場を覗いてみますかのぅ」とふらふらとひきつけられるようにして覗いてみた。

 したらば、入り口近くのグラス売り場に、早稲田の姫がいた。
 ぎゃふん、入店3秒の奇跡!
 一脚700円で早速お買い上げ。ほらね、高いものじゃなかった。

「このグラスを探してたんですけど、偶然見つかってびっくりしましたー」と会計時に店員さんに話してみたら、「えー、これ、昔っからあるデザインですよー。矢来の切子といって」、なになに、矢来の切子ってなに!? と思ってたら、別のお客さまがきてここでお話が終わっちゃいました、残念!

いやー、びっくり! 日曜日からちょっとずつ本丸に近づいていたんだね! 銀座や青山で買わなくてよかった、幸せの青い鳥は徒歩10分のところにいた、私ってば本当に運がいい!! うむ! オチはなし!

2 COMMENTS

いち

私もガラスのコップ欲しいのよ。
木村硝子のタンブラーなんですが、
なかなか踏ん切りがつきません。
うちにまだいろいろタンブラーあるしなあ。

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ukasuga

そうなのよ!たとえ1000円とか500円とかお高いものでなくても器も生き物だから放置しておくと増える一方ですし、手に入れたあとで手放すのがなかなか難しい品物ですよね。でも気に入った器を暮らすと楽しくてよいと思うよ。買っちゃえ買っちゃえ! 

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