汚屋敷と人は言うけどこれほどの/高嶋あがさ「母は汚屋敷住人」

 

私は人間、彼はトド・・・という不思議なOL・サラリーマン漫画「トド彼」を描いた高嶋あがささん。「女の友情と筋肉」もそうですが、そんなに若くもないけれど人生の年表から見たらまだまだ若いアラサーの働く女性さんが結婚するかもしないかもというウェブ漫画はどうしてこんなに人の心を鷲掴みにするのでしょうか。あ、私だけ?

そしてその高嶋あがささんの実母とのゴミ屋敷をめぐる戦いを描いた「母は汚屋敷住人」。読み終わっての感想ですが、「お屋敷になる意味がわからない」。

私の実家は、家具がとても少なく、お土産物などを飾る謎のエリアもなく、調度品も少なく、そりゃー四畳半の開かずの間がないたわけじゃなかったんですが、昨年一念発起してほぼほぼ空っぽにして別の用途の部屋に変身させませたし、そりゃー謎の納屋とかもないわけじゃないんですがそれも「業者さん、ばっちこい!いつだって廃棄できまっせ」な状況に片付けてあるし、そりゃー謎の農具小屋もないわけじゃないですが(以下略)。さらに私の今住んでいる部屋も、賃貸暮らしなのでどうせまたどこかに移動することもあるだろうからと余分なものは少ないし、猫のウカちゃまははかわいいし、ふさふさのウカちゃまが芝直線800cmを疾走できるよう床や廊下にはものを置いてないすし、大量のゴミも出ないし、まぁちょっと似たようなサイズのバッグが8個くらいあるのは目をつぶって、あ、さらに、絹でできたフルレングスのドレスが詰まった箪笥がいくつかございますがまぁそれもちょっと目をつぶってもらって、とにかく、物がそんなに多くない部屋に住んでいるんざんす、飾り物といえばロイヤルコペンハーゲンの「北極圏の白い生き物たち」しばりの陶器の置物たちと山本昌と梨田のサインボールくらいなんです、えぇ、ほんとうにものが少ないんです。だからといって真似したいほど素敵なインテリアというわけではないのは自覚しておりますし、そこはあまり優先順位が高くない。長い自営業暮らしで有料ゴミの処分にも慣れたもの、粗大ゴミは区にお願いするのが一番安く確実でやんす、ですのでですので、

汚屋敷になる人がわからない!

汚屋敷に育ってしまう境遇がさっぱり見当つかない!!

で、このお母様がすごい。こんなところで人は暮らせるのかという驚き。ゴミは貯めこむはトイレや風呂の始末はできないわで、料理もろくにしない。この母親に育てられた作者さんご姉弟は、世が世なら放置子扱いであったことでしょう。ズボラを通り越した母親に育てられたあげくなんとなく清潔さが感じられない弟さんだったのでしょう、その彼が社会人になり営業職についてから周囲の人達に「シャツがよれよれ」「机の上が乱雑だ」などと様々な指摘を受け「あ、自分ってやばいんだ」と自覚するあたり、これはちょっとした「狼少女ジェーン」な事案にも見え、どんな環境で育っても人は変わることができるのだなとちょっと感動したりしました。物語は意外なオチでぷつんと終わるのですが、それがまた問題の根深さを表しているようにも思いました。

東京には空き家が82万戸、全国では800万戸あると聞きましたが、綺麗サッパリもぬけの殻の空き家なんてお家は少ないことでしょうし、少子化ニッポンどこへ行く! 

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