ウカちゃんの半分はフサフサで、イギリスの半分は皮肉でできてるざます/ドラマ「ダウントン・アビー」

ダウントン・アビー [DVD]

あらすじはAmazonから。

全世界空前の社会現象!!

この海外ドラマは“事件”になる―
貴族のプライド、使用人の野望、絡まる愛憎。今世紀最高の傑作英国サスペンス・ドラマ!

第1次世界大戦勃発直前の1912年。イングランド郊外にたたずむ大邸宅“ダウントン・アビー“で暮らす貴族グランサム伯爵一家は、タイタニック号沈没の報せに騒然となる。家督を相続するはずだった長女の婚約者が帰らぬ人となったからだ。グランサム卿には娘しかない。よそ者に財産を引き渡したくない母親と妻は策謀をめぐらせる。一方、一族に仕える使用人たちにも突然の出来事が起こる。ある日、戦争で負傷し左足が不自由の男ベイツが、伯爵付従者として赴任してきたのだ。この、ひとりの新参者の登場で、ダウントン邸に渦巻くさまざまな秘密が、静かに暴かれ始めていく・・・。

たまに見たり見なかったりで、昨夜は日中行われたグラミー賞のまとめ放送の中で登場するレディ・ガガを見るためにテレビの前で待機してました、が、ちょうど見るべきものもなく、録画しておいたダウントン・アビーを見ることにしました。シャーリー・マクレーンが出た回は見たんだけど、それからどうしたの、この貴族のご一家は没落するの、家督を変な金融商品に突っ込んで全部溶かしちゃったりしてないの、あれから一体どうなったの、と見守っておりましたが・・・。

LOST並に登場人物が多くてもうわからない・・・下僕の皆様だってよいお召し物を着ているので誰が貴族かどっちが使用人か見失う。母親と娘が同じメイクと同じ髪型なのでどっちがどっちかわからない、見分けがつかない、バイオレットおばあちゃまはすぐわかるわ、あれは間違いようがないから。アメリカ娘はたとえ貴族であっても蔑まれるのか、それではアメリカからロンドンに渡ったキャンディも大変苦労したことじゃろうて。

で、見ていると、当時の階級感はこんな感じ?

貴族 > > > 使用人 > > > > > > > 黒人

黒人のジャズシンガーをお屋敷に招いて、お父様の誕生日パーチーのサプライズとして演出することになった。屋敷への突然のゲストに戸惑う執事長、「アフリカに帰ろうと思わないのかね?」と歌手に向かって問い尋ねる。

 おぉ、アフリカに、帰らないか、と!!

シンガーは「えっと、僕はアメリカから来たんだけど」と応えるんだけど、そのあたりにうえの数式が出てくるわけですよ。当主サイドは「自分たちは開明している」と自負しているので、眉をひそめる仕草をこらえ、聞き慣れないジャズ音楽に我慢し「あなたたち、頭が古いんじゃないかしら」と余裕をぶちかます。ここは当時の根強い人種差別を描いていたけれど、それ以外のところでは同じ階層内での様々な皮肉合戦が繰り広げられる。おぉ、かの国では「一昨日来やがれ」を「今日一日が素晴らしい日であることを祈っているよ」と表現するのか、などと異文化をよく知ることができます。彼の国に行った時、もし同じようなことを言われたら「あー、私、歓迎されてないんだな」などとすぐ思い至ることができそうな素晴らしい教材です。

そこにいくと「あさがきた」なんて同じような時代の同じ使用人がいる暮らしなのに、なんとみんなすくすくと育った朗らかな人格揃いではないですかー。あんな気持ちのいい富豪ドラマ、久しぶりですわー。「あさが来た」のなにがいいって、登場人物たちが毎日集まる謎のカフェやレストランが出てこないこと。美和さんのカフェーはたまに出てくるけど、登場人物たちが毎日入り浸ってるわけではありませんし、あれは立派な情報交換、社交の場として成立しています、すばらしい。

地方都市を舞台にしたドラマで毎日毎日同じ喫茶店やレストランに人々が集まっているのを見ると、いや、地方暮らしの人って仕事中のランチ以外そんなに外食しないんじゃないの、家で食事するシーンが少ないんじゃないのかしら、情報交換する場所がカフェだけっていうのはあまりに陳腐じゃないのか、などとつい思ってしまうのです。なので、あまちゃんの「駅の中に併設されたスペースで、昼は喫茶店でカレーを出す、夜は飲み屋でまたカレーを出す、そして町の若手である主人公の母親・小泉今日子がそこで働く」というのは地方の暮らしのリアリティがあってよかった。真田丸の場合は、それがおとうやんの囲炉裏のある部屋だね。あの回転扉があまり機能してないような気もするんだけど。

それでグラミー賞のレディ・ガガのパフォーマンスですが、うん、この人は15年後、どんな体型になるのかなーと思うものでした。うちの猫ちゃんが自分の顔にプロジェクションマッピングしてるガガたんの顔に蜘蛛が這っているのを見た時、テレビをパシパシと叩いていたのが昨夜のハイライトでございました。暴威のマントも見られて大変よござんした。

4 COMMENTS

ふなき

以前、宝塚でアメリカ人であるシンプソン夫人と結婚し王位を退いたイギリスの王様(エドワード8世)をミュージカルにしたのね。時代はおそらくダウントンアビーを同じ頃。
エドワード(当時は皇太子)とシンプソン夫人がどこやらのパーティーで初めて会うシーンで、エドワードが側近に「あの夫人は誰だ?見掛ない顔だが」って聞いたら、側近が「さぁ?植民地の女性でしょうか?」って返すの。
植民地!!20世紀になってるのに、アメリカ独立して200年以上たってるのに、植民地!!
びっくりしたのを思い出しました。
私はバイオレットおばあちゃまが大好きです。

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ukasuga

バイオレットおばあちゃま、よいよね!しかし貴族は、自宅での夕飯のときにも冠とかつけるのね。大変ね!身内しか居ないのに!ディナーのモテドレス・・、ってお父様しかいないわ、やかましわ!的な。
「植民地」かー。あのドラマの中ではアメリカの女性もなかなかの扱いに感じますが、現代の貴族はまだそれなりに貴族ライフをキープしてるのよね、すごいわね。

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ふなき

キャンディ・キャンディで、キャンディがアードレー家の養女になってすぐに、午餐のためのお召変えをしてなかったっけ?「アードレー家では午餐が正式な食事です」みたいな説明付で。ってことは、正餐には正装(ドレス&ティアラ)ってことなのかしらね?アードレー家はスコットランド貴族がアメリカに渡ったという設定だったような・・・(は!バイオレットおばあちゃまは、エルロイ大叔母様に相当するのか!!)
やっぱり貴族って大変・・・

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ukasuga

スコットランド貴族がアメリカに渡った、そこで孤児だったキャンディが幼女になった(幼女になったのは誰の推挙のおかげ?)、そしてキャンディはロンドンに行き、テリュースに会う。そして自分の生き方を模索し看護婦学校へ。そして。
イライザの「シルクのリボン・・・ぐぬぬぬ・・・」の一コマで顔に縦線表現というものを覚えましたわ、わたくし。
(バイオレットおばあちゃまは、そうよ、エルロイ大叔母様よ! ラガン家ってのは親戚だったのかな。アーチーとステアとの縁戚関係は?)
・・・・すごく読み返したくなってきたんですけど、キャンディ・キャンディ・・・

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