今週の本と映画と大型連休/オッペンハイマー・ゴジラxコング・密航船水安丸・ジャッキー・ブラウン

4/29-5/5 金銀銅の日本史を読んだら金山がみたくなってひらりと東海道新幹線に乗ったり、上映時間の長さになかなか腰があがらなかった長編作を見に行ったり。「読むものがないときは新田次郎か吉村昭ですよ」と手に取った「密航船水安丸」が面白く、その他吉村昭の「桜田門外の変」に手を出したり、東京に遊びにきていた姉と夜のヌン活や一日デートしたりしました。天気も良くて楽しかった!

ゴジラ×コング 新たなる帝国(Godzilla×Kong:The New Empire)

Godzilla x Kong: The New Empire (Original Soundtrack) [Analog]

まじめに作っているワーナー・ブラザーズの方たちには申し訳ないのですが、なんというかまじめに見る映画ではなくて、でも怪獣大作戦・ずっとプロレス・リッチすぎるCGのサービス満点映像。真っ暗な環境でとりあえず上映時間の115分の間は他に邪魔の入らぬ環境で大画面で見ると楽しい映像体験でしたよ。

ところで、コロッセオでくるりと丸くなって眠るゴジラってばずるくない!? あのシーンを見たあと、私は雷に打たれてしまい、帰宅後すぐにギャルと恐竜を読み返したりしてしまいました。ずるい!! もう!!(ニヤニヤしながら)

ギャルと恐竜(1) (ヤングマガジンコミックス)

オッペンハイマー(OPPENHEIMER)

Oppenheimer [4K Ultra HD] [2023] [Region Free]

大作すぎて時間のあるときにじっくり見ようと思っていたので連休の機会に見てきた。

・TCX、DOLBY ATMOS で鑑賞した。音楽・音響ともに素晴らしかった。だが、それとこれは話は別だ!
・大物俳優がさらりとモブ役で登場していたりして目が離せなかった。その中で座長として君臨したキリアン・マーフィーは立派でした。だが、それとこれは話は別だ!
・若アン・マーフィーも可愛らしかった。年齢を追ってのメイクも丁寧。だが、それとこれは話は別だ!

今年のアカデミー賞の助演男優賞は「火星の人」でもよかったのでは? 火星の人がこういう役どころをやるのも珍しいよね。火星の人なら、アカデミー賞授賞式でもお行儀よく振る舞ったと思いますよ? 「原爆の父」と呼ばれるオッペンハイマーだけど、原爆開発の組織や体制・政治を構築した父という意味だったのだと知った。

「原爆の話じゃなくて赤狩りの話だから」という擁護を目にしたりしたけど、まごうことなき原爆の話です。対ナチで開発した原爆だったが、ドイツが5月に戦争から降りてしまい、落とし所がなくなった原子力爆弾。「でもせっかくつくったことだし・・・」と選ばれた投下先が日本だったのです。
 あのノリ!
 あの軽さ!! 
原爆実験は丹念に、音響も凄まじく再現したのに、実際の投下はまったく表現していなかったのです。監督のクリストファー・ノーランは良くも悪くも当時の雰囲気を淡々と再現しただけだと思う。苦悩するオッペンハイマー博士のシーンもありましたが、あの程度の表現では、唯一の被爆国である日本以外の人々に原爆の悲惨さ・凄惨さは伝わるまい。それらも含めて日本人は目に焼き付けておく必要がある作品だと思います。

見応えのある素晴らしい作品ですが、でもほんと、それとこれとは話が別だよ?!

「ジャッキー・ブラウン」

ジャッキー・ブラウン

こんな切ないエンディングってある? あんな悲しい中年男の背中ってある? 初期タランティーノ作品の傑作だと思います。未見の方はぜひ~。

新田次郎「密航船水安丸」

密航船水安丸 (講談社文庫)

日露戦争後、大飢饉に見舞われた宮城県登米市の人々を募りカナダのバンクーバーまで80人を密航させ、彼の地に日本人島を作った及川甚三郎氏の伝記。東北の大飢饉というのはほんとうに凄まじいものだったのだ。本書の15%に及ぶ取材日記でより深く肉付けされる読書体験。バンクーバーからバンフへの列車の旅に興奮する著者がとてもかわいらしい。うんうん、楽しいよね、バンフへの道! 

この時代の「カナダへの渡航費用」がひとり80~100円前後といいう。漫画「ゴールデンカムイ」で戦地で寅次が「アメリカへの渡航費と医療費でざっと200円、俺もいくとなればその倍だ」というセリフがありますが、まぁほんとうにそういう感じだったのだなと。

日本からの移民の受け入れ数を絞りつつ、なんとかカナダへたどり着いた日本人立ち。鉄道敷設などの過酷な労働に死ぬ思いで従事し、故郷へ必死に送金し、しかしカナダへ根付いた日本人たちが、排日運動の影響を受け、多くの人が人生設計を余儀なく変更させられていくくだりなど、読んでいて涙が止まらなくなった。

この勢いで石巻の青年がエスキモーの女性と結婚し、紆余曲折の末アラスカに村を作った「アラスカ物語」も読み直そう。これも東北の方による北米大陸開拓物語です。ヒンッ!

アラスカ物語 (新潮文庫)

何度もいうけど今週のお買い物

Dior クリスチャン・ディオール サングラス GLOSSY1 584/LF

だって「こんなに大きな品物が、金3gと同じ値段なの!?」って思っちゃったらさぁ・・・。

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