あらすじはギンレイホールのサイトから。
Moonlight
2016年 アメリカ映画 英語 111分 R15+ DCP
★第89回アカデミー賞 作品賞、脚色賞、助演男優賞 3部門受賞
監督: バリー・ジェンキンス
出演: トレヴァンテ・ローズ、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス
配給: ファントム・フィルム
マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロン。麻薬常習者の母親には育児放棄され、学校ではいじめられて、行き場を失ったシャロンに優しく接してくれるのは親代わりの麻薬ディーラー・フアン夫妻と、唯一の友達ケヴィンだけだった… 自分の居場所とアイデンティティを模索する一人の孤独な少年の成長を、3つの時代構成で色彩豊かな映像美で描いたヒューマンドラマ!
大変に美しい青い映画で、緻密な色彩設計が施されたのがよくわかります。要所要所に差し込む、ナイルブルーというかターコイズブルーというか、独特な青い世界がこの作品のタイトルをも暗示しています。美しい。
そして物語の肝心なところで寝落ちした。バカっ、私のばかっ! しかしその肝心なところが「いかに肝心であったか」を少年シャロン役のアシュトン・サンダースは、その余韻まで含めて見事に演じきっておりました。寝ぼけ眼のわたくしは、その演技により、「ああ、なるほど、ははーん、やつら、なにかあったね」とほくそ笑むことができたのです。素晴らしい。アメリカン俳優の層の厚さをまた目の当たりにすることができました。んもう!
そしてうっかりWikipediaで該当の項目を読まないように。物語が全部描かれています、なんたる!
お金のかかってない映画なんだろうなーと思ったけど、シャロンの母親役を演じたナオミ・ハリスは全3日で撮影を終え、すべての撮影は25日で終わったそうな。Clint Eastwoodが『グラン・トリノ』を33日で撮ったことを思うと、超速ですな! ちなみに『許されざる者』は39日、『ミリオンダラー・ベイビー』が37日、クリントさんは優秀な映画監督であるとともに、経済家でもあるのよね。ケン・ローチ監督も撮影は短そうよねぇ。
なんというべきか、気高い映画でしたよ。
映画見終わったいま、ジャケットのデザインの意味がやっとわかった。
「告ハラ」話、これはいつもローカス先生が言ってるとおりで、勝算の薄い一発勝負に臨むのは少なくともいい大人のやることではないし、そういう「周囲の状況や相手の心境よりも自分の都合を優先させていきなり勝負を挑んでくる相手」が自分に対して一般以上の関心を持っているのは充分恐怖だと思う。
— たられば (@tarareba722) 2017年8月25日
この映画を見ている間、たらればさんのこのツイートを反芻し、ついでに入江喜和さんの「たそがれたかこ」のことを思った。でもこうやってツイッターとかでちょっと気の利いた訓戒をいっぱい身につけちゃって萎縮して、したいこともできない人生送るのもなんですし。。。