あらすじはギンレイホールのサイトから。
アートギャラリーのオーナーとして裕福な生活を送るが、夫との関係はうまくいかないスーザン。ある日突然、20年前に別れた元夫から彼が書いた小説が送られてくる… 世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが、小説・過去・現在が複雑に絡み合い曖昧になっていくミステリアスな物語を緻密な映像美で描き出す!
「どうせトム・フォード先生が金にあかせて作った耽美系怪作映画なんでしょー、富豪ライフ美麗映画なんでしょー」と全然期待せずに行ったら、大変な作品でした。
モザイクゼロで陰毛丸出しの全裸の女性たちが踊っているオープニングでまずおののき、主役として登場してきたエイミー・アダムスに「え、マジ? 本気のキャスティングではないですか」と身を乗り出すと、物語は一転、舞台はテキサスの夜のハイウエイに移り変わり、カポーティの「冷血」のような胸糞の悪い展開に。私の後ろの席の人がそこで席を立って戻ってこなかったくらいのきつい鬼畜の行状がスクリーンで繰り広げられていく、正直、エグい。
とかやってるうちに、その犯人逮捕にむけて登場してくるテキサスの刑事ボビィ・アンデスが登場。あれ、あれ、あれ、役作りしすぎてて一瞬わからなかったけど、マイケル・シャノン先生ではないですかーと気がついてから『この映画がハズレのはずがない』と確信を深め、最後まで息を詰めて鑑賞しました。
主人公:エイミー・アダムス
主人公の元旦那:ジェイク・ギレンホール
冷血モードの中での主人公:ジェイク・ギレンホール
刑事:マイケル・シャノン(アカデミー賞助演男優賞ノミネート)
鬼畜犯:アーロン・テイラー=ジョンソン(キック・アスの主人公/ゴールデングローブ賞 助演男優賞受賞)
いやーすごい、一本で三本分の映画を見た感じ。大変な密度の物語と監督が追い求めた完璧な映像美が織りだす甘くて赤くて強いドロリとしたお酒のような強烈な116分でした。富豪映画とかなめててごめんなさい! 早くマイケル・シャノンとアーロン・ジョンソンに助演男優賞を!!!
2016年のアカデミー賞助演男優賞はこんな感じでした。
あぁー、ムーンライトか、ムーンライトね、ムーンライトなら仕方ない!
マハーシャラ・アリ(ムーンライト/ホアン)
ジェフ・ブリッジス(最後の追跡/テキサス・レンジャー・マーカス・ハミルトン)
ルーカス・ヘッジズ(マンチェスター・バイ・ザ・シー/パトリック・チャンドラー)
デーヴ・パテール(LION/ライオン 〜25年目のただいま〜/サルー・ブライアリー)
マイケル・シャノン(ノクターナル・アニマルズ/ボビィ・アンデス刑事)
アーロン・ジョンソンが鬼畜な男役をやってるんですが、ちょっと印象的なセリフを言ってた。物語の確信にふれるので多少ぼかしてますが「俺の彼女が『あなた浮気してるでしょ?』っていえば、おれは他の女とヤってくる。あの女が俺のことをレイプ魔だと思ったからレイプしたんだ」。
ロンドンから羽田へ戻るフライトの前、今回のツアーで居合わせたあの面倒そうな人の隣になりませんようになりませんようにと強く願ったら、その人が隣の席になってしまった。ぎゃふん。神様が試練与えてきたなーって正直思いたくなる方・・・・あぁもう・・・・てな話をお友達にしたら「それはピンク色の象を思い浮かべないでくださいって話だね」と教えてくれた。
人の脳はイメージしたものを引き寄せちゃう癖があるけど、それがマイナスの願いかプラスの願いかまでは把握してない。「あの人が来ませんように」という願いの場合、「あの人が」の部分しか脳は捕捉してくれない、「あの人が隣にこないで」か「あの人が隣にきて」かまでは聞いちゃいない。あなたが強くその人のイメージを脳に結んでしまったから、その人を引き寄せちゃった。「次からはあの素敵なお姉さまが隣にきますようにって、願いなさいよ」と教えてくれた。
そんなアホなーと思ってたけど、先日某所でランチするとき、ちょっと試してみた。
「あの窓際の席に案内されますように」
その像を強く結んでみたら、ほんとにお目当ての席に通された。あれ、あれ、あれ? じゃーもしかして「あの人はきっとアレに違いない」と私が思ってるから実際にアレになっちゃったりしてるのかとか、あのホニャララがアレなのも私が頭の中でアレだって強くイメージしてるからだったりするのが原因なのー? えええー世の中ってそんないい加減なものなのー? というか脳ってそんな力があるの? 早く言ってよぅ!!