中村七之助・中村梅枝 コクーン歌舞伎「切られの与三」

コクーン歌舞伎の季節がやってきました。昨日は各種団体貸し切りデーでちょっとお安くチケットが手に入ったので歌舞伎クラスタのお友達と行ってきました。いやほんと、休憩が早い段階である舞台でよかった。

コクーン歌舞伎は、歌舞伎というよりも、歌舞伎のスタイルを借りた新しい試みの場と思ってみています。普段は女山の七之助が男役をやったり、ジャズっぽい楽曲を使ったり、歌舞伎座ではできないことをやれる機会。リオ五輪閉会式を思わせるミニマムな舞台装置、背景は遊び心存分に、天候の演出も思いのままな照明、舞台音楽は生演奏と、あの小さな箱にぎっしりと密度の濃い演出が!

「切られの与三」という演目は大変に長い演目で普通に上演されるのは「イヤサこれお富、ひさしぶりだなア」のところまで、しかしこれは実際の物語の前半も前半、ユーリオンアイスでいったら長谷津編が終わったところ、ゴールデンカムイで行ったらレタラと弐瓶さんの対決で終わったところ。有名な前段とあわせてそれ以降の長い長い物語を、コンパクトに3時間の舞台にまとめてくれたのが今回の七之助主演の「切られの与三」。

時間と時空を最小の装備で最大の効果を出すように表現するとこうなるんですなぁという格好の事例で、まぁそのつまり「ガラスの仮面」の「女海賊ビアンカ」って感じがしないでもなかったんですが、波乱万丈の七之助の、じゃなかった与三郎の人生を一緒に駆け抜けることができました。よい舞台体験でした。

 

七之助も中村梅枝も、ふたりともハンバーグしか食べてこなかった世代なんだなーという細い華奢な顎で、亀蔵さんみたいに硬いものをがっちり食べてたくましい顎にしてもいいんやでーと思ったりもしました。歌舞伎界のフェイスラインの明日はどっちだ!

 

ガラスの仮面劇場 女海賊ビアンカ ミュージカル・サウンドトラック

1 COMMENT

はつき

いやいや、ほんと休憩時間が早くにあってよかった!

梅枝丈、予想以上に色気があってちょっと驚きました。
子役だと思っていたら、いつの間にか子供まで作っていたよー…

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