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プロ野球2018 キモノの国のエクソダス

舞台見てきました

出しぬけに砧打ち出す隣哉 正岡子規/能「砧」/狂言「佐渡の狐」

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週末はずっと雨、晴れたり止んだり暴風が吹いたり。土曜の夜は雨が降ってお出かけもままならないので資格維持試験をオンラインでやって、そのあと親戚食事会。今年は松茸が豊作だそうで、えっ、こんなお高いお店でも松茸をこれほどまでの厚みでで出すんすかーへーと感心しました。一番美味しかったのは栗ご飯と烏賊のお刺身でした。函館行きたい。

 

日曜日は、恒例の奥川先生のお能の会。今年は「砧」。

 

狂言は野村万蔵さん・野村万之丞さん・能村晶人さんで「佐渡の狐」。佐渡のお百姓さんと越後のお百姓さんが、納税にやってきたところでかちあう。越後のお百姓さんが「佐渡のような、狐もいないような辺鄙な島暮らしでなかなか大変でしょう」とちくっと嫌味をいう。佐渡のお百姓さんは「いっいますとも! 佐渡にはああ見えてなんでもいるんですよ!」と返すが実のところ狐がなんたるかを知らない。越後のお百姓さんは「ほほぅ、それほどまでおっしゃるなら、ちょうどお役所の前にいるんですから、お役人様の前で判定してもらいましょうかね?」ということに・・・。

狂言って「なにを喋っているのかしらこの人達」という10分ほどが経過すると、その先は古い喋り言葉の日本語がするすると頭に入ってくるから面白い。その中で、奏者役の野村万蔵が見事な昭和のズッコケを披露してくださいまして、あぁ、古典でもこういうのアリなんだ、とポンと手を叩いた次第。

 

お能は砧。140文字にまとめるとこういうお話。

都に行って三年も帰ってこない男を恨んで死んだ女。慌てて帰ってきた男に「ひいい成仏してくれー」と言われ「あっ、わたし、ちょっとやりすぎたの?」と成仏していく話。死して尚、物分かりいい女であろうとする話。ひどい!!!面はアラサー世代の顔、男の若い愛人との対比が見事でした。

女が暮らしているのは九州。都に行ってる男は、自分と一緒に暮らしている若い愛人を先に帰らせ「今年の冬には帰るっていってます」と伝えさせる。はぁ? なんなのその無神経過ぎる男?! 

複雑な気持ちで都から遣わされてきた若い女と対峙するものの、中国の故事にならって少しでも早く帰ってこれますようにと二人で砧を打ち男を待つことに。とかいってたら、「めんご☆めんご! やっぱ今年も無理!」という連絡が届き、女は嘆き悲しみそのままはかないことになってしまったのです。いやいやいや、それ、嘆き悲しんで、じゃなくて憤死ですよね? 平成の言語ではそれは「憤死」と呼ぶものです。

女が死んだというので慌てて男は都から帰ってきます。遅いっつの。「死んだ彼女の声をきこう」と試みると、亡霊となった女がさくっと登場。「この嘘つき。ひどい嘘つき。若い女を派遣させるは、もうおまえさまを信じることはできなんだ。それが悪かったというのか。だからこうやって成仏もできずにいるというのか?」と恨みをいうものの、男が心をこめて合掌すると、そのような邪な考えが消え払われた女は晴れやかな表情で成仏していくのでした。

 いや、ないですからー! 

 ないですからー!!!!

いままでお能で数々の悲しい女性たちを見てきましたが、これほどえぐい運命の女はなかなかないのでしょうか、どうでしょうか。別に振られるのはかまわんが、それを自分より・若い・愛人の・口から言われるとかって、まぁなんて無神経な男何でしょう!! 

砧は秋の季語となっていますが、このお能で女の悲しみに触れたあと、正岡子規の「出しぬけに砧打ち出す隣哉」をよむとまたいろいろな感慨が。ふふっ。

能楽堂を出るところで「砧の主人公が可哀想過ぎる!」と憤激している女性がいた。わかるわかる、私も同感ですよぅとその方のお顔を見たらお友達のFちゃんで、その隣には彼女をなだめる旦那さんがいた。ふふっ。その後は3人でビール飲みながら砧反省会を開催し、電車が動いているうちに帰りました。

砧 (観世流特製一番本(大成版))

 

さて台風一過の10月、さわやかにがんばっていきましょう、次の台風がまたすぐやってくるようですが。なんというか、太平洋上空で強力な台風が何機もタキシングしてるようにしか見えないんですよね、この夏は・・・。

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