祝日のメインランドに手を出すな/広州一日観光のお話/珠江デルタ地帯中国高速鉄道乗り鉄の旅 その4

広州には20時間ほど滞在したのですが、市内の主要観光地を一応一回りしてみた。中国の地下鉄では乗車前に保安検査がある。切符は区間料金ごとに用意されているプラスティックのトークンを券売機で買う。路線図は複雑怪奇。近いところにつるっとまっすぐ行けなくなっていて、地下鉄で溜池山王駅から永田町駅に行くときのような「地上ならばとても近いのに大変もどかしい乗り換え」をする必要がある。なので車でいけば10分なのに地下鉄でいくと30分という場所がざら。そしてタクシーに乗ってちょっとやんちゃなくそじじぃに当たれば、「俺に5人民元よこせ、よこせないと下ろせられないなぁ(ニヤニヤ)」てなことになる。ほほう、広州、そういうところだぞ?

珠江ナイトクルーズ

地下鉄に乗って、珠江ナイトクルーズに乗船。午後7時半という一番夜景も賑やかな時間帯に乗り込む。タクシーで1時間乗って2000円しない土地なのに、このナイトクルーズの乗船券も同じ値段。タクシーのほうが安いのがふっしぎー! 

そして乗船券を買った途端、手持ちの現金がいきなり底をつきかける。こういう観光客向けサービスのカウンターでもクレジットカードが使えないのかと驚く。「インバウンド? ははっ、我が国は内需だけで十分やっていけるんでね、インフラ構築にそんなにお金かけるつもりはないし、別に外国人観光客をもてなすつもりはありませんね。そっちがこっちに合わせればいいんですよ」という高笑いが聞こえてくるような気さえする。16億人がいるってこういうことなのか、強いな!

そして船出、船上は子供連れの地元の人ばかり! うぉぉー君たち、椅子に座っておとなしく静かに見るということはできないのかい。橋の下を通るたびに子供の嬌声と大人の歓声。原則テンション高め人種なのかやかましい。まぁ好き好んで現地びとだらけの観覧船に乗ったんだからそれをアレコレいう筋合いはない。いや、ほんとみなさん元気ですな。

広州塔

下船後に、高さでスカイツリーに抜かれてしまったテレビ塔「広州塔」まで地下鉄で移動する。ほげーと見上げたあとさてホテルに戻りましょうと地下鉄入り口まで戻ろうとしたが、あまりにも人数が多く集まりすぎたため地下鉄の入場規制がかかっていた。入り口Aは✕、Bは○というような表示が見えたが、Bってなんでしたっけ、と深く考えずに一駅歩くことを選択。スマホの地図を見ながら次の駅まで30分ほど歩き(渋谷-表参道の15分くらいの間隔かと思っていたら、渋谷-三軒茶屋くらいの距離でした、ぎゃふん!)、なんとかたどり着いたそこでも入場規制中。地下鉄入り口近くでしばらく広州びとたちの肌のぬくもりを感じながら(=もみくちゃになりながら)規制が解けるのを待つ。

地下鉄に入ったら入ったで、切符を買うところでまた大渋滞。切符を買う端末の前で操作に慣れないおじいちゃんの動作をじっと見つめてみた。目的地の切符を選択したあと、スマホを取り出し、QRコードを撮影し、精算し、端末からトークンが出るまでの時間の長さときたら・・。Suicaみたいなのはないの? もっとスイスイって地下鉄に乗りたいって思わないのかちらどうかちら! いぃぃ、もどかしい!

ホテルに着き、建物の中の、部屋の静寂さにほっとした。現金がなくてなにも買い物できなかったし夕飯も食べられなかったので、ルームサービスで「夏野菜のパスタ」なるものを頼んでみた。とても美味しかった。洋食までこんなに美味しくしてしまうとは、さすが「食は広州にあり」ですね。

そのパスタと白ワインでそこそこ優雅な食事をし、満足したところで広州の地図を今一度眺めてみる。ほほぅ、広州塔からホテルまで珠江新城新交通システム線というものが走っていることに気がつく。え、それって、さっき広州塔で地下鉄乗ろうとしたとき「地下鉄はダメだけど、こっちのトラムは入場制限してないよー」という表示があった路線のことでは? うーわーーーーー!! そうだーこれに乗ってしゅっと帰ってくれば、30分歩くことも、広州びとたちと肌のふれあいしなくても済んだのではないかーーーぐーーわーー! バカー、私のばかー!!! でもホテルのリネンが最高だから許すー、俺は俺を肯定するー、そして広州の夜は過ぎていくのでした。。

石室聖心大聖堂


翌日はホテルでの朝食後、クレジットカードで人民元をキャッシングしていざおでかけ。地下鉄乗り継いで乾物ストリートの先にあるカテドラルへ。19世紀に建てられた比較的新しい大聖堂で、ステンドグラスが窓になって涼を取ることができるようです。観光客が多く、大変賑わっていました。


色使いが濃厚なバラ窓。


中国の妖怪としかみえないガーゴイルちゃんたち。作画は諸星大二郎先生でしょ?

大聖堂の近くはいまどきのカフェがいくつか立ち並んでいて、トイレ利用を兼ねて休憩する。タピオカミルクティーを頼んだら、20cmほどの大きなカップを渡されクラクラする。日本だったら二人分、これで200円。おしゃれカフェなのに、量がおしゃれじゃない。さっと飲んで、すっとトイレ行って、シャッと次の目的へ移動するという目論見が見事に外れる。美味しかったんですけど、量がね、とにかく量がね。

広州動物園


広州市内には広大な動物園が街のまんなかにあります。入園料20元。これとは別に、さらに広大なサファリパークが郊外あるそうですが、どちらもパンダちゃんがいるようです。今回は市内の動物園に。休日で大変な人出で、前夜のナイトクルーズの船上とそう変わらない戦場モード。急ぎ足でパンダコーナーまで歩き、特に背の高い囲いもなくラフに飼育されているパンダを見てニヤニヤし、また急ぎ足で動物園の入り口に戻り、女性のドライバーのタクシーを拾いホテルに戻るという超高速パンダ鑑賞。


走り出すパンダ。


たぬきコーナーで、留守番中の猫へ思いを馳せる。

ホテルに戻りチェックアウトして、しばらく休憩してから広州南駅へタクシーで戻る。行きも帰りもバッチリ同じ料金だったので、ホテルや駅で拾えるタクシーは割とみんな誠実に商売してるのではないかと思う。短い滞在でしたが、広州びとパワーに圧倒された24時間でした。観光でかなり体力を使ったのでリッチなホテルにしておいてよかった(私にしては珍しいことですが)。

海外ホテル予約

海外の予約サイトは朝食別だったりしますが、部屋のグレードを鑑みたうえで朝食付きで検索したら一番安かったのが楽天トラベルでした。意外!! ただ中国本土が連休だったため、ホテル代は少し高めに設定されていたようですけれど。