狩野派の犬はだいたいモフモフだ/東京国立博物館平成館「桃山 天下人の100年」

写真は東博ニ階の休憩スペースです。きっと名のある椅子なんでしょう。

 

東博の「桃山展」に行ってきた。オンラインで展覧会のチケットを買うだけなのに、なぜ個人情報をここまで入力せねばならぬのかと毎回不満を覚えないわけではないですが、、素直にネットで購入して行ってきた。お支払いは、使いみちがありそうでないdocomoのポイントを使った。美術館はd払い、dポイント払いができるところが多いからありがたいですよ。

さて、本展覧会は桃山時代を中心に、室町後半から江戸時代までの書、画、刀剣、蒔絵、衣装、茶器、甲冑具足・・・あの時代のありとあらゆる美術品を集めた大規模展示。大河ドラマ「麒麟がくる」で描かれている時代から徳川幕府が落ち着くまでの、その当時一番イケてたものの集大成。狩野派はたくさん、対する長谷川等伯もたくさん、A4で6ページにわたる出品目録に記載されている点数は231点! 入館料は2400円、圧倒的に分厚い図録(専用バッグつきで4000円)が用意されるのも無理もない、大変な品数! ヒュー! 

で、みていきますと、あれ、これ、サントリー美術館の南蛮美術の展覧会でみたやつがまるっと再現されてますやん、冬の京都でいくつかのお寺が共同で展示してた長谷川等伯がごそっときてますやん、あらー黒鳥毛揚羽蝶模様陣羽織(別名 ふさふさゴージャス陣羽織)はつい先だって、8月25日に同じ東博で見た「きもの展」で展示されてたやつですやん、などなど。なんとなく展示面積でいうと、六分の一は過去に目にしたことがあるもので、そうかー、こういう展示に10年20年通い続けるとこうやって場所を変えて再会することもあるんですなぁという感慨が。もっと刀剣や書に興味があればさらにいろいろ気づきがあったのでしょうけど、「また会えたね」という楽しみというか喜びが。あ、でもゴージャスふさふさ陣羽織との再会は早すぎてびっくりですよ、前回から三ヶ月経ってないんですもの、びっくりしましたよ!!

今回の自分メモ

狩猟図 狩野山楽筆 犬が素晴らしい。毛並みふわふわ・モフモフ、だけど全体がシュッとしている。狩野派の犬はいい。
花鳥蒔絵螺鈿聖龕 誰がこれを作らせたかっちゅうことを考えながらあの時代に思いを馳せたい。
洛中洛外図屛風 米沢で見た記憶が。
楓図壁貼付 長谷川等伯 智積院で見た記憶が。
豊臣秀吉像画稿 歴史の教科書でみるやつです。
紺糸威南蛮胴具足 漫画「イサック」に思いを馳せたい。
松鷹図襖・壁貼付 二条城の鷹図、お顔がいい。
油滴天目 中国 キラッキラ。これにみんな目がくらんだんでしょうな。
唐物肩付茶入 銘 初花 「これからはこういうのがイケてるんだぜ」「これが新しい価値観でーす」って小さい焼き物見せつけられても、当時の武将たちはさぞかし困惑したことでしょうね。
瀬戸黒茶碗 銘 冬の夜 真っ黒い茶碗。今日の東博のなかでひとつ持って帰っていいよって言われたらこれをもらって帰るかな。なにしろ名前がいい。俳句向き。
聖フランシスコ・ザビエル像、南蛮人渡来図屏風 サントリー美術館で見た
龍虎図屏風 曽我直庵(東京国立博物館蔵) ちょっと獰猛なビッグサイズの猫ちゃん。猫の目がよく描けてました。あとあのぶっとい前脚、最高。
秋草蒔絵歌書箪笥(高台寺蔵) 女性が使っていた道具らしい細やかで華やかな道具。いやいやほんとこの時代の美のセンスときたら。
日月蒔絵硯箱(高台寺蔵) 控えめだけどわかりやすいメッセージ、ゴージャスだけど繊細な作り。これももらってやってもいいかなっていう素晴らしい出来だった。
桐紋花菱繋蒔絵二重短刀箱(山形本間美術館蔵) 刀箱なのに、刀箱なのになんという精緻さ美しさ。とらやのピエールエルメの羊羹入れる箱と同じくらいかわいい。これって、エルメスのバッグが入ってた箱やHUBLOTの時計が入ってる箱、ひいてはApple製品が入っていた箱をとっておくという精神性に通じるものがあると思う。中身も素晴らしいんだろうけど、箱もねー箱がねぇー。
陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 ゴージャスふさふさ陣羽織、みんなも覚えてね。リンク先で写真が見られます。

令和元年度新収品展

平成館の並びの建物で令和元年度新収品展も拝見。
浜松図屏風 伝土佐光重筆 ごっしゃーって感じのいい絵!
いろは屏風 貫名菘翁筆 八十代で書かれた書とは思えない力強さ。
燕 手島右卿筆 たのしそう!

その他懇切丁寧な説明付きのアイヌと琉球コーナーや、ニ階の展示コーナーも十分堪能いたしました。またどこかで再会したりするんでしょうね。美術品ってそういうものなんですね。そういうことができ、楽しめる豊かな時代に居合わすことができラッキーだと思います。

とにもかくにも圧倒的物量っ! 機会がありましたらぜひー!

 

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