春の雁邪智暴虐なニルスをば/「教科書の泣ける名作」「スーホの白い馬」「ニルスのふしぎな旅」

 

もう一度読みたい 教科書の泣ける名作 再び

スーホの白い馬 など

昨秋のコミケで「スーホの白い馬」のコスプレをした人がいて話題になったのですが、このお話を読んでことはないわたくしでも、そのコスプレ画像だけで「アジアの遊牧民族の貧しい少年が友達のように大切にしていた白い馬が殺されてしまう、あるいは死んでしまう物語」だと察することができ、いつか現物を読んでみたいものですじゃと思って調べていたら、こちらの本が見つかったので読んでみた。持ち心地のよいソフトカバーの本で、サイズもちょうどいいです。優しく上品な明朝体もグッドです。

出版は学研、さてこの本の収録作品はこんな感じ。

「スーホの白い馬」大塚勇三
「走れメロス」太宰治
「ベロ出しチョンマ」斎藤隆介
「あかいろうそく」新美南吉
「トロッコ」芥川龍之介
「よだかの星」宮沢賢治
「おこりじぞう」山口勇子
「挨拶 原爆の写真によせて」石垣りん
「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳
「鼓くらべ」山本周五郎
「レモン哀歌」高村光太郎
「オツベルと象」宮沢賢治
「高瀬舟」森鴎外
「握手」井上ひさし

「スーホの白い馬」、大塚勇三氏の匠の技、わずか8ページの破壊力、涙が止まらぬ、堪らぬ。その他もちらちら読んでみたけど、ベロ出しチョンマってこんな間抜けな音なのになんて悲しい話なんじゃろうか。「少年の日の思い出」、読んだことあるー、今なら主人公の気持ちわかるー、そして「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」が刺さるぅー、などとつらつらと。童心にかえって読んでみたけれど、こういう物語はいつ読んでもよいものですね。ごんぎつねを収録したこちらもあります、二冊セットでぜひご家庭に!

もう一度読みたい 教科書の泣ける名作

ニルスのふしぎな旅

古き良き児童文学にひたったあとは次は映像ものに。先日Twitterでポケフレンズの人が「ニルスのふしぎな旅を読んだ」と書いてらしたので、あれはどんな話だったかな? ニルスという名前は北欧の人なのかな? スプーンおばさんはノルウェーおばさんだったけど、ニルスはどこ坊やかな?、とアマゾンプライム・ビデオをさがしてみたら、学研のアニメが無料開放されているではありませんか! 早速第一話を見てみた。

ニルスのふしぎな旅 新価格版 1 [DVD]

オープニングの歌は、一発で覚えられそうなメロディでタケカワユキヒデさんの仕事、歌は加橋かつみさん。歌詞はすごく子供向けの楽しげな内容なのに、楽曲は玄人っぽい。物語の舞台はスウェーデンの農村地帯。いたずら坊主のニルスが、妖精に懲らしめられて小人になって、ガチョウのモルテンと一緒に国中を旅するというお話。Wikipediaによると執筆の経緯はこんな感じだったらしい。

この物語は、スウェーデンの子供達が自国の地理を楽しく学べる様にスウェーデンの国民学校教員協会の読本作成委員会がセルマ・ラーゲルレーヴに執筆を依頼したものである。

なるほど! ある意味桃鉄みたいな学習効果を!?

ニルスの旅 -スウェーデン初等地理読本- (1000点世界文学大系)

ニルス、ほんとうにひどいの! 動物に意地悪なの! お母さんは「あの子を育てる自信がないわ」と嘆き、お父さんは「ニルスが動物をいじめるから、鶏は卵を産まなくなったし、牛も乳の出が悪くなっちゃったけど、・・・・まぁ大丈夫だよ!」とフォローする、お父さん、全然フォローになってないよ!! この邪智暴虐なニルスに、今より躾が厳しかった(と思われる)当時のちびっこたちはどうやってわくわくしたり共感したのだろう。ぜんっぜん共感できない! ニルス家の猫がガーフィールドみたいな造形でしかもでかい!! 相棒のハムスターのキャロットのマズルがもっこりしすぎててハムスターに見えない! などなどいろいろ気になるところはありますが、南北に長いかの国を理解するのによい教材かもしれません。こちらもちらちらと見てみたいと思います。

 

なぜこんなに昔のものに触れているかといいますと、先日友人に「銀河英雄伝説見てないの?」と叱られ、ポケモンGOをやっている話をすると世間の人は「赤・緑を若い頃やってた(赤・緑?)」「私も小学生の頃からやってたけど、今は子供と一緒にやってる」などと返ってくる、わたくし、意外とそういう基礎体力的な素養が足りてないのではないか、みんなが薄い本を作ってキャッキャウフフとしていた学生時代に一体何を読んでいたのかと今更ながら気が付かされ、遅ればせながら追っかけていく所存でございます。介護も終わっちゃってほんっとやることないんすよー、もー、もうちょっと介護活動したかったですぜ!!!

 

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2 COMMENTS

ふなき

銀河英雄伝説は「銀河声優伝説」の異名をとった最初のアニメ化がオススメなのですが、原作はもっと面白いので是非! Kindleにはいっています。
久しぶりに山本周五郎の「鼓くらべ」の字面を見ました。中学の感想文に「主人公が鼓くらべの席で打つのをやめてしまうのは理解できない」と書き(嗚呼中二病)呼び出し食らった黒歴史がよみがえりました(高校では山月記で同様のことをやらかしたっけ)

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ukasuga

ふふっ、ふなやんの中二病すてき! そんなことで呼び出すなんて、センシティブな学校ね! そしてそのテストの最中、ガラスの仮面の「たけくらべ」の姫川亜弓と北島マヤの絵柄で物語を再生していたのではないでしょうか。高瀬舟も鼓比べもよかったです。よいご本でした。

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