異国の客

異国の客
異国の客 池澤 夏樹

池澤夏樹さんは私の頭の中で、『スティルライフ』で賞をとったときのみずみずしいイメージのままでいたのですが、この本で1945年生まれと知り驚きました。これは、彼がフランスで暮らしながら、日本と世界を考えたものをまとめたエッセイ集。書かれた時期は2004年末~2005年秋。記憶に新しい世界の出来事について書かれたものを読みながら、そのとき自分はどう考えていたのか、ネット社会やまわりではどんな声があがっていたのか思い出しながらゆっくりと読む。こういう視点で見ることもあるのかと思ったり、共感するところがあったり。9.11後の世界を冷静に振り返りたいときに、参考になると思います。フランスでの暮らしぶりも読んでいて楽しく、食べ物の話は「ごくり」と。
落ち着いた良識のある大人の視線に立てるよい文章だと感じました。良書。

1 COMMENT

さくまり

私にとって池澤夏樹さんはジェラルド・ダレルの翻訳者なんです。
とっても素敵な動物学者さんの本をたくさん訳してくれました。

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