村上龍のエッセイ「すべての男は消耗品である」シリーズの最新作。きれいな装丁のしっかりした品のあるつくりの本だけど、余白が多い。行間が広い。単行本にしたらずいぶん薄い本になっちゃうんじゃないかしら。村上龍さんも還暦を超えたのですもの、何かに怒ったりブツブツしたりする気力も体力も減っていっちゃうわよね。
「あんなに世界中を移動していたのに今ではそれほど行きたいとも思わない」などとも、確かに気力・体力が落ちているのかもしれませんが、村上龍さんは、多分、一生分の旅を40代でしちゃったんだと思いますよ。子供の頃、我が家はトマト農家として夏の間は稼いでおり、私は多分、その頃の一生分のトマトを食べてしまったので、今は自分から進んで食べたりしないですよ、それと一緒ですよ。
「半島を出よ」はとてもエキサイティングな物語で、読み終わったその足で福岡まで飛んでいってやった現地おさらい巡礼ツアーは面白かったなー。このエッセイにお父さまが亡くなられてことが書いてあり、それを読み初めて「69」を読んでみようかと思いました、妻夫木聡が主演した作品でしたよね。
賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。
還暦を過ぎた村上龍のエッセイ集。このシリーズは、いつも不機嫌そうに書かれてる印象がある。 「今の若者には興味が無い」なんて書いてる端から、若者についてのシビアな分析が続 …