本と猫フランスマダムのアイスティ/ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

昨年発売されてから常に気になっていたご本。なにかこうページをめくる気にならずにいたのですが、昨日やっと読みました。

六月の最後の月曜日の気持ちのよい夕方、「よし読むか」とソファの上にごろりと寝そべり、それを察した猫が奥の部屋から「踏めっちゅうんか、踏めっちゅうんかい」とのしのしやってきてひらりと私の腹の上に乗る。そしておもむろに話しかけてくる。

「あなたにはふたつの権利があります。ひとつはその本のページをめくる権利、もうひとつは私の顎のあたりをカイカイする権利。同時に行ってもいいですし、片方だけ注力しても問題ありません。どちらを選ぶのもあなたの自由です。ただし、だいじなことなので一回だけお伝えしますが、ただし、砂糖菓子のように細く白く、雪の女王が残した息吹のように長いロングヘアに覆われた、わたくしの、このわたくしの小さな顎をカイカイする権利があるのは、この広い世界であなただ・・・ゴロゴロゴロゴロ・・・」

そういう猫を腹の上に薄く伸ばしながら読んだ(知ってましたか? 猫も撫でるとどんどん薄く伸びます)。風が涼しくなりはじめた時間帯から読み始め、あたりが暗くなったときに読み終わった。

面白かった。いままでの本に比べてとても読みやすくなったと感じるのは、ブックデザインのせいでしょうか? 文字サイズ、行間、フォント、余白、新潮クレスト・ブックスみたいな手に優しいソフトカバー。掌で持つ本からテクストがところてんのように私のなかに滑り込んできました。おそらく、昨日が、この本をところてんテクストとして受容するのに最良の日だったのだと思うのです。とても面白かった。

ハンガリー移民のダニエルくんの未来に幸多かれ!
ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

フランス人マダムのアイスティ

https://dot.asahi.com/dot/photoarticle/2019080800076.html
ツイッタで話題になっていたので作ってみた。作り方はこのページに。口当たりがとてもまろやかでした。よっしゃ今年は鍋でアイスティを作るぞ! 作り続けるぞ!

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