長き夜やアクションコミックスふたつみつ/「迷走王ボーダー」「ここだけのふたり」「トモちゃんはすごいブス」「なのな フォト ゴロー」

ネオ・ボーダー : 2 (アクションコミックス)

 

土曜日、なにか疲れてしまったので、一日中Kindleで漫画読んでました。
青字はすべてAmazonのサイトから。読んだ順に。

リバーエンド・カフェ

リバーエンド・カフェ : 1 (アクションコミックス)
宮城県石巻。あの震災から数年が経ったこの地に住む高校2年生・入江サキはある夜、謎の男と出会う。不埒な輩に絡まれていたところを助けられたサキ。北上川の中瀬に灯る明かりに誘われ、少女は不思議なカフェへと辿りつく。そこで出されるコーヒーには、人生の楽しさや悲哀が入り混じっていた――。
石巻出身のたなか亜希夫が震災後の故郷を描く最新作、①②巻同時発売!!

そうなんですよ、たなか亜希夫さんって石巻出身なんですよ! 知りませんでした。「絆って言葉、嫌い」とうっかり口に漏らしてしまったばかりに学校でいじめにあい、居場所がなくなってしまった主人公サキの物語。大人向きの童話っぽい面もあり、オダギリジョーで実写化された「リバースエッジ 大川端探偵社」が好きだっった方にはおすすめ。

ネオ・ボーダー

ネオ・ボーダー コミック 1-3巻セット (アクションコミックス)
80年代のバブル絶頂期の時代に、マーケティング社会の行き着く果てを喝破し、絶大な支持を得た『迷走王ボーダー』が20年を過ぎ、奇跡の復活。蜂須賀、久保田、木村の名トリオが復活したのは、なんと平安時代末期。保元の乱前夜、1000年に一度の時代の転換期に、蜂須賀たちボーダー・トリオはどう生きるのか!作者は作・ひじかた憂峰(狩撫麻礼)、画・たなか亜希夫のゴールデンコンビ!!

原作ひじかた憂峰、作画たなか亜希夫。
バブルの頃にアクションで連載されていた「迷走王 ボーダー」という作品があることは知っていましたが、読んだことはなく。しかしそんなわたしが最初に触れた「ボーダー」関連作品は、登場人物たちを平安時代に移動させた新作。たなか亜希夫さん、ほんとうに絵がうまいし、描き込み量が半端ない。へーこういう話だったんだーとさかのぼり、次は本編「迷走王 ボーダー」へ。

迷走王 ボーダー

迷走王 ボーダー : 3 (下) 迷走王 ボーダー (アクションコミックス)
家賃三千円だと言う住まいは、なんとアパートの元共同便所! 10年間大陸をさまよい続けたこの男には世間のルールは通用しない! そう…本当は冴えた男なのに、世の中のうっとおしいことをパスするために、馬鹿を装ってブラブラしてる…。現代社会に棲む“集団意識”という名の悪魔に食われそうになっても、決して物事の本質は1つではないということを忘れないで欲しい。世を撃つ、奇跡の人生哲学マンガです!!

原作狩撫麻礼、作画たなか亜希夫。
あぁぁぁーバブルの時代とは・・・! 携帯電話がないから、みんな電話がくるまでおとなしく家で待っているシーンとか胸が熱くなった。まぁそうはいっても人の営みってそうそう変わらないし、JRの車内で喫煙が許されていたり、公衆トイレを使おうとすると顔に縦線が入りそうな状態が常だった時代に戻りたいかっつったら戻りたくないわよねぇー。
作者たちがブルーハーツに出会ってからなんだか思わぬ形で話が終わっちゃって、「え、これでよかったの?」とも。

これを中村真理子さんに描かせたのが「天使派リョウ」だったんですね、わかります。

トモちゃんはすごいブス

トモちゃんはすごいブス コミック 全5巻完結セット (アクションコミックス)
天涯孤独になってしまった日…、チコはトモという謎の女に出会う。一度見たら忘れられないとんでもないブス、トモ…。この日を境に、生命力ゼロだったチコは、徐々に大切なものを獲得してゆく。ディープな大阪を舞台に繰り広げられる抱腹絶倒、しかも切ない森下ワールド全開!!

少年アシベの森下裕美さんの2010年-2013年連載作品。
一巻だけ買って読んでいて、いやいやいや、もっと森下さんの毒を浴びたいんですけれども・・と思いそれ以上読み進めなかった本作。完結したのを知り今回改めて読んでみた。こんな生活力のない女の子が大阪にいるのかとか、登場人物たちが六~八頭身だったり、四コマ漫画じゃなかったり、抱腹絶倒ポイントがちょっとわからなかったし、森下さんの新しい挑戦なんだろうなと感じました。もっと毒を浴びたい、浴びさせてくれ!

なのな フォト ゴロー

なのな フォト ゴロー : 1 (アクションコミックス)
食品工場勤めの独身男、谷師悟郎(たにしごろー)。日々はさえない。明日もイヤなコトしか起こらないだろう…。西荻窪的雑貨屋勤めの女の子、阿木七乃菜(あぎなのな)。日々、ぼんやりと生きている。心はけっこうすさんだりしている…。コドクな男とコドクな女の美しくはない奇妙な出会い。きっかけは「ナノナ~」と鳴くすごぶるかわいい猫。二人と一匹の一筋縄ではないハートフル森下劇場開演!

森下裕美さんの2013年-2015年連載作品。
毒もあるけど、町でひっそりと暮らすすべてのひとたちに寄り添う優しい話、毒もあるけど優しい。昭和の最後期か平成に生まれたキャラクターたちのそれぞれの人生へ寄り添った表現が胸に来る、傍若無人なキャラクターばかりでてくる「ここだけのふたり」を描いた作家さんとは思えないくらいに。あけすけにいってしまえば、景気の良さそうな人が出てこない、冴えないひとばかりがでてくる。どうして日本はこうなっちゃったのかと頭を抱える。かわいい猫がでてきて、一歩踏み出せないひとたちの背中を押すようなよい作品なのに、読後感は「どうして日本はこうなった!?」。あぁ、そしてもっと毒を浴びたい・・・浴びたいんですよ、ぼかぁ!!! 

ここだけのふたり

ここだけのふたり! : 1 (アクションコミックス)
あの妻が、あの夫が!! アクションコミックスで装い新たに登場。ファンの方々は、この作品の完結を首を長くして待ち焦がれていたかと思います。ランスロット、たきえ、ホホホのおばさんなど、強烈で楽しいキャラが勢ぞろい。1巻から10巻まで、一挙に刊行します。もうあなたは幸せモンだあ!

森下裕美さんの1988年-2002年連載作品、竹書房。
強烈で楽しいキャラが勢揃い! あああーこの毒、この毒ですよ!! この毒!! 紙の本で昔集めていて途中で買うのをやめてしまったんだけど、いい毒浴びた(晴れ晴れとした爽やかな顔で)! 

 

しかし、こうやってここ20~30年の庶民を描いた漫画を続けて読んで思うのは、やっぱり所得が減ってるなってこと。よくないねぇよくないねぇ。令和二年に『ボーダー』の木村くんが東大目指すにしても、こんなふうに親から支援もらえたじゃろうか、どうじゃろうか。これだけの数の漫画を読んだ感想が「不景気よくない!」というものだってことが切ない。

 

誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃

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