昨年秋から聞き始め、ようやく聞き終えた。謝辞が圧巻、あとがきも読み応え(というか聴き応え)あります。データ至上主義について語る下巻では、自由なデータのアクセスとは、人間が自由にアクセスできることを意味してはおらず、「データ」が人間に自由にアクセスするということを解き明かしていきます。耳が痛かったのは最終章のこのくだり、要約を書きます、早速うろ覚えになってるので、表現の細かいところの誤りなどは諸々ご容赦ください。
かつて日本人旅行客といえば世界の笑いものだった。彼らは目にしたあらゆるものをカメラで撮影していった。ところがどうだ、いまは世界中の人間が同じことをしている。旅にでかけ象を見たら象の写真を撮る、そしてSNSにアップする。象をみて自分はどう感じたのかそんなことは問題ではない。二分おきにSNSをチェックし、どのくらいの「いいね」を獲得しているか確認するのに忙しくなっている。
いやほんと2分おき!! 2分おきですよね!! ハラリ先生は「いいねついたかな」とかソワソワしたりしないのでしょうか、うふふふ。ところで、ハラリ先生はワンちゃん3匹と一緒に暮らしているそうです(執筆時)、なにそれかわいい、その写真よこしやがれください。
星新一のショートショート集「妄想銀行」の「住宅問題」みたいな未来のお話でした、そしてそれはすぐそこまでくるのですよ、ベーシック・インカムなんかも伴っちゃったりして。それが未来なのか、これがかぁ。