三月や成田凌する裾捌き/おちょやん

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芸能の世界ってのはきれいごとばかりじゃないんですよということを隠そうともしてない朝の連続ドラマ「おちょやん」。先週は生き別れの弟がヤクザになって、主人公千代の前に現れてひと悶着。現代だったらこのあと、大ブレイクした千代のところにヤクザの弟との関係が取り沙汰され、主役降板とか劇団解散とか芸能界から干されるとかいろいろ起きるんでしょうけれど、そこはほれ、朝ドラの世界。ヤクザとのお話はここでシャンシャン、なのかもしれません。かくてわたくしは、ヤングヤクザをさわやかに演じた(さわやか?)倉悠貴さんという俳優の名前を覚えることに成功したのでした、したのでした。

 

それはさておき成田凌。わたくし、この俳優さんのことはまったく知らなかったんですが、なんすかあの着物の着姿の慣れた感じ。「こなれた」とか「着こなした」とかそういう表現では、ちょいと追いつかない着慣れた感じ。身長182cmなんですよ、腰の位置すごく高いんですよ、お腹もでてないし、体もほっそいんですよ。
それなのに「生まれたときから着てましたけど、なにか?」という自然な着姿で演技しており、毎回惚れ惚れします。「あさがきた」で玉置宏が着ていた旦那さん着物でもなく、「まんぷく」で長谷川博己が見せた浴衣でくつろぐ姿ではなく、市井のひとが普段に着ている着物ってこんなにラフで格好良かったのかと。特に「ほなさいなら」とでもいう感じで振り返っていくときの後ろ姿、袖に手をつっこんで縮める仕草、下からのアングルで敷居をざっとまたぐときのまっすぐな裾のラインからちらっと覗くくるぶしの筋の男らしさとか。顔も演技も台詞回しもすべて令和・平成のテイストだけど、平成育ちのひととは思えないあの着姿を見ると、あぁこれは戦前の物語をやっているんだなと実感できるのです。

今年の夏、浴衣に挑戦してみようかなという平成育ちの男性たちは、彼の着姿や動きを参考にするとよいと思います。細くても背が高くても腰の位置が高くても頭が小さくても似合う着物の着方や身のこなしを学ぶことができることでしょう。あ、中年男性たちは、鶴亀の社長の中村鴈治郎さんらを参考にしてください、素のままでどうぞ!

成田凌「スマホを落としただけなのに」という映画にでているらしいのですが、邦キチさんのこれを読んでから俄然興味がわいてきました。「それってデスノートだろ!」らしいんですけど、時間があったら見てみようかと思います、刺繍でもしながら、刺繍の目を数えながら。

 

スマホを落としただけなのに

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