どんな分野でも黎明期のお話はワクワクするものですが、これは戦後の北アルプス登山黎明期を支えた男たちの物語。
その山小屋へたどり着くまで徒歩で2日もかかる黒部源流三俣山荘。ひょんなことからこの山荘の経営権を手にした若かりし著者伊藤正一氏と、破天荒な山賊たちが切り開いた北アルプスの登山開闢記。
いや面白かった。ゴアテックスがある時代に、フリース素材がある時代に、GPSがある時代に、生まれてよかったーと思いながら、夢中になって読み進めました。怪異の話は全体の3割ほどだと思いますが、存在感ずっしり、カワウソの見方がかわっちゃいますよ!
ヤマケイ文庫版で増補された解説でこの本をとりまく状況、復刻されたことにより山の怪異本ブームが起きたことなど、そんなところも面白うございました。みなさまもぜひー、山に登る人も登らない人も。
エレガントなお召し物は似合わないけど、ゴアテックスのノースフェイスとかほんとうに似合って困る。なぜなら自分はバレーボール部の監督ルックスだから。