1991年の女子大生「秋の花」

秋の花 (創元推理文庫)
北村 薫さんの秋の花 (創元推理文庫)を読む。以前、友人(名古屋のN氏)が「面白いですよ」とすすめてくれてそのまま本棚に入っていたものだった。1991年に発行された小説なのですが、その頃世の中はバブル全盛期、当時の私はOL一年生、主人公の「私」とも同い年のはずなんですが、北村薫さんのさわやかな文章もあいまって「東京郊外の住宅地でまっとうな両親にしつけられた育ちのよい女の子」感がみちみち伝わってくる。こういう女子大生は今は貴重なのではないだろうか・・・。ボーイッシュな友人の言葉遣いが悪いとたしなめるのだが、んななぁ当代の若いむすめっこたちに比べれば、「ちょいと悪ぶる良家の子女」レベルの上品なもの。あぁ、なんてこと! あの頃の、折り目正しき、人の気持ちにゆきとどいた女子大生はどこに行ったのだろう。どーこーにー!!! と布団の中でウカさまを腹の上に載せ(ウカさまはちょっと頭が足りないので、すぐ腹の上から滑り落ち、滑り落ちた後も空に向かってフミフミする)、もがいたワタクシ。
ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)
1994年に第47回日本推理作家協会賞長編賞を受賞したガダラの豚、こっちはわくわくしながらイッキ読み。アフリカに行きたくなっちゃいました。小説を書いたのはその前年あたりになるのでしょうが、なんというか、こんな業界話が織り交ぜられているのに全然古臭く感じなかったのがすごい。
この話にも「毒舌で名を売る元アイドル」が出てくるのですが、その毒舌っぷりなんて今のに比べたらかわいいもんですよ。先日のアドレな!ガレッジで見た女性同士の会話の言葉の汚さといったら! もぅ!
隔世の感が・・・。そんな最近の読書感想文でした。

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