躑躅咲くノーマネーの五連休/「山とそば」「突然ノックの音が」「五色の舟」など

連休はどっぷり介護帰省でしたよ。なんというのかしら、大変ではあるけど悲惨ではなく、変な言い方だけど私レベルの人間でも十分対応できる毎日。毎朝、庭の木にやってくる小鳥のさえずりを聞き、親戚や近所の人と情報交換し、家族がしっかりと親密に過ごす連休となりました。よかったです。
途中で親戚が法外なお値段のマンゴーをおみやげにもってきてくれました。ほどよく熟していて、その人が玄関先に立った瞬間、甘い香りそこに満ち満ちとしましたの。一泊二万五千円以上の旅館の区別がつかないように、マンゴーも三千円以上のものはどんなお値段のものでも違いを見分けることができそうもないなぁと実感したりしました。

この期間に読んだご本。

ほしよりこ「山とそば」
山とそば (新潮文庫)
「猫村さん」のほしよりこさんがすごしたいくつかの旅、松本・上高地・白骨温泉のゆったり充実プラン、出張帰りに立ち寄った岩国、鹿児島などの旅をあの鉛筆絵と手描きの文字で書きまとめた旅行記、というか旅絵日記。
いやーーーーーー、鹿児島に行きたくなりましたよ、乗馬したくなりましたよ、ゆっくり九州をまわってみたくなりましたよ! 若い頃、姉ちゃんたちとお金出し合って、両親を豪華九州一周旅行に送り出したことがあったけど、今思うとやっておいてよかったなーと思う親孝行のひとつだったようです。しかし松本ってこんなに素敵な街なんだったっけ、とちょっと驚いたりも。岩国の白蛇博物館のおっちゃんとヘビの交流の場面とか思わずスクリーンショット撮っちゃったくらいにかわいい!

近藤ようこ「五色の舟」
五色の舟 (ビームコミックス)
「うわぁぁぁ、こういうお話だったんかぁー」と最後にはらはらと涙をこぼした。ふわふわとした足元の上の大変に美しい日々というかなんというか。Amazonのブックレビュー欄がたいそう熱い! これは句会のマダムたちにも薦められる漫画ではないかと思いましたわ。

エトガル ケレット「突然ノックの音が」
突然ノックの音が (新潮クレスト・ブックス)
衝撃のエンディングだらけの短篇集! 買ったばかりのシルクのブラウスのまん中あたりを裁ち鋏で遠慮無くバツンと切っちゃうようなエンディング。1968年生まれのイスラエルの作家さんなんですが、この作家さんがイスラエル人でもニューヨーカーでもロンドンの人でもクロアチアの人でも東京の人でもよいのではないかしら、という普遍性。嘘つき男の話と金魚の話がすごくいい。頭の良い作家さんだなー、これからも機会があれば追っていこう。池澤夏樹がやるようなことをグイグイと進めてくれてる新潮クレスト・ブックスはハズレがないねぇ。

あと、「よくわかるピケティ」的なご本を読んだ。私、このご本のおかげで、経済学者の「新古典派」というものがなんたるかよく理解できたの。このご本の中に、

「二十年働いて、今の年収×6が君が持っている資産だ」

という一言があり、早速電卓叩いたりしましたよ。ちょっと足りないけどおおむね合ってる。ピケティ、すげえ!

21世紀の資本

4 COMMENTS

いち

岩国の白蛇博物館、行ったよ。
昔、母と一緒に。

蛇、かわいかったよ。

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ukasuga

あぁーそこでヘビをつかまえて、ベリっと剥いで、あのお財布に変えちゃったのね! とてもすてきよ!(かなり捏造してます)

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ukasuga

あっ!ごめんごめん!!!白蛇じゃなかったね、フロリダでワニだったっね!もー、勇気あるぅ!(捏造パート2)

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