そのベンチを買い替えるときは、インテリアに明るい友人に大塚家具へ同伴してもらった。長椅子問題と同時にダイニングチェアの買い替え問題も一緒に解決できないかと考えていた。そのときは上野で「フィン・ユールとデンマークの椅子」展などを見た直後だったりしたもので、目に麗しく長く使える良い椅子がある暮らしに私は飢えていた。
といった話をしながら歩き進めて行った北欧家具コーナーで、カール・ハンセン&サンの家具のすべてのバリエーションを揃えているエリアに行き当たった。あまりの数に圧倒されていると、彼女に「もうYチェアにしなよ、一生飽きないよ!」と背中を押された。
説明しよう、Yチェアとは!
確かにこの椅子はお知り合いのセンスの良いマダムの家にもある。ちょっと気の利いた施設にもよく置いてある。ペーパーコードだからお尻の収まりがよい。そしてこの美しいデザインの椅子を店頭で見つめていると、生涯かけて大事にできる自信がふつふつと湧いてくる、見つめているだけなのに。
「私、この椅子を買ったら、『まあ家に帰ればYチェアがあるしなってなるし、仕事でむかつく人に会ってもそんな口きいていいのか?私は自宅でYチェアとよろしくやってる身だぞ』って言えそう・・・」
「言いなよ、言いなよ! 言っていいよ! 言いながら長く使いなよ!」
そして買った(大塚家具以外で)。
そして注文の20日後に届いた。
そして猫がバリバリした。
猫ちゃん!!!!
という話をくだんのマダムに話したら「あなたは前にAmazonの箱に入らぬ猫はなしっていってたけど、Yチェアバリバリしない猫はなし、よ、ふふ」とご返信をいただきました。そうよねぇ、ペーパーコードの座面は、バリバリにうってつけだもんねぇ。早速薄手のクッションを引いた、突然の実家感!!
もしかしたらこの椅子は人生で買う最後のダイニングチェアだったのかもなーって思いながら毎日満足して使っています、もちろん外出中は「まあ家に帰ればYチェアがあるしな」ってなってます。いいことです。
良い北欧椅子のファンとしては、そういった椅子が置いてある施設を頭の中にリストアップしておき、お出かけの機会があればそれらを中心に尋ね回るのもよいわよね。FRITZ HANSENのロオチェアのある飯田橋のGODIVA Cafeとかね。眺めもいいし居心地もいいしとても素晴らしいわよ、飯田橋のGODIVA Cafeは。税金対策でやってるのかなってくらいの素晴らしさよ。