篝火草仲代達矢の不条理や

 
Sまりさんが「チケットが一枚余ってしまったの、一緒にいかが?」と声をかけてくださり、用賀の無名塾・仲代劇堂まで。用賀駅を目指して田園都市線に乗ったつもりが、うっかり急行に乗ってしまい、二子玉川駅まで。えぇい、と二子玉川の駅前にいたタクシーを拾ったら、この人が神運転手で、google maps によると10分かかるルートをわずか5分で目的地まで運んでくれた。なんてしゅてきな!しかもワンメーターで!!!! 神は世田谷にいる、メモメモ。
 
今日のお芝居は、不条理劇の「授業」。仲代劇堂は、普段は稽古場なんでしょうな、そこに椅子を集め、わずか50人でお芝居を眺めるというなんとも贅沢な時間。役者さんは仲代さんと山本雅子さん・西山知佐さんの3人。初期のガラスの仮面が描いていた小劇団の稽古場の雰囲気ってこんな感じだったのかしら、という空間でのお芝居。アイルランド出身の不条理演劇の代表的作家・ウージェーヌ・イヨネスコの「授業」を。
お芝居が終わったあと、芸歴60年・御年80歳の仲代さんがステージからこうおっしゃる。うろ覚えなので、かなりまとめちゃっています。
「私が若い頃は、寺山修司、つかこうへい、安部公房なんかが不条理劇をやったものですが、今はめっきり減ってしまいました。自分も80歳となり、最後にこういう挑戦をしてみようかと思って、今回、このような不条理劇をやってみました。1時間とはいえおつきあいいただきありがとうございます」
仲代達矢さんは1932年生まれ、寺山修司が1935年、つかこうへいが1948年、安部公房が1924年生まれ、そうか、仲代さんから見たら寺山修司はちょっと年上のあこがれの先輩だったろうし、安部公房は8歳年上の大先輩、つかこうへいなんてやんちゃな年の離れた弟くらいな印象だったんだろうな。最後のあいさつは「みんなみんな死んじまった」というふうにも聞こえ、勘三郎も團十郎も死んじゃったし、見られるうちに見られるものは見ておこう、という気持ちが私の中でも若干高まっています。とはいえ、仲代さん、全然元気で格好良くてフェロモンだだ漏れていたんですけど。
よいものを見させてもらいました。Sまりさん、ありがとうございます。
秘伝のタレともいえそうな仲代フェロモンを浴びて私もなんだかツッヤツヤでございますことよ。

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