今月でうちの猫ちゃん米寿なり/ここ最近の本と映画と米寿猫

概況

前回から一ヶ月空いちゃった。猫は腎臓病にありがちな便秘がちキャットになり(でも人間も年を取ったら便秘がちになりますしね)、消化系の療法食が追加されました。食べたその数時間後に立派なものを出してくれて、薬ってすごいなーと感心しているところです。

ドラマ「SHOGUN」

三浦按針が見た戦国時代終焉の物語「SHOGUN」。ラスト・サムライをみたとき、「あの地形はどう見てもニュージーランドのものだと思うけど、ほんとうによく丹念にやってくれました!」と感動した口だったので、今回もそのような目線で鑑賞。Disney PLUSで。あの植生はどう見ても北米大陸高緯度地帯のものだと思うけど、今回も真田先生最高です!

三浦按針を演じたコスモ・ジャーヴィスは、トム・ハーディ系のむくむくしたルックスで愛らしい。言語ができればどんなところでも生きていくことができることを力強く好演。鞠子様(細川ガラシャ夫人がモデル)を演じたアンナ・サワイの腹の座った佇まいは武家の子女そのもの。コウモリ野郎の浅野忠信はウカエミー賞助演男優賞を差し上げたい(エミー賞では浅野忠信と平岳大がノミネート、受賞はならず)。

なにかっていうと腹を切って責任を取ろうとする姿に全世界がドン引きしたことでしょう。音楽も撮影も重厚で素晴らしく、自然災害が多い日本で人々がどうやって生きてきたか、どんな死生観で生きているのか理解してもらえる一助になればありがたい。

映画「侍タイムスリッパー」

単館上映から拡大上映に切り替わってすぐ見に行った。なぜか中高年の御夫婦が多い時間帯にいあわせ、劇場はクスクス笑いと爆笑、そして緊張と緊迫、最後には鑑賞者たち全員が解き放たれたように笑顔になれる爽やかな映画だった。

日本を代表する時代劇俳優が撮影中の作品の中打ち上げをポケットマネーで開催するシーンがあったが、その打ち上げ会場は、広めのカラオケスナック、でてくる料理は唐揚げとポテトチップスというしょぼいもので、ほんとうに制作費がカツカツだったんだなとかえって感動した。あとで知ったが制作費は2600万。すごいよ! 監督の他の作品が制作費750万、400万と知り、逆に見なくてはとも思っています。

主役の会津藩士を演じた山口馬木也さんは、「八重の桜」「麒麟がくる」「鎌倉殿の13人」などでも出演されていた役者さんで、ほんとうに現代の髪型が似合わないお顔をされていて格好いいです。着物しか似合わなさそうな(でも普通に洋装でおめかししたら格好いいんでしょうねえ)。

週末の興行収入ランキングで7位に浮上し、興行収入も3億突破したそうです。年齢を重ねた監督が持つ人間としての深い優しさと、円熟した脚本の妙が見事に調和しています。機会がありましたらぜひ。

いちごのショートケーキのシーンにぐっときました。

映画「きみの色」

サイエンスSARU作品。長崎のキリスト教系全寮制女子学校を舞台にした軽音部の物語。ずーーーっときれいでずーっとふわふわしてる。ガツガツしなくても幸せでいられる時代、悩み事や葛藤だってすごく恵まれた次元の上で起きていることばかり。でもいいの。そういうのもいいと思う。主人公が推してる憧れの女子高生「きみちゃん」の声を髙石あかり(ベイビーわるきゅーれのあの子がこんなキャラクターにぴったりの声が出せるものなのか)、きみちゃんや主人公の凸子を応援するシスターの声を新垣結衣(声優までできてしまうの?!)。明るく美しい色彩の作品によく似合っていました。

不満な点をあげるとしたら、プロデューサーがエンディングの歌をミスターチルドレンに歌わせたことですね(邪推)。そこは、映画の中で登場した楽曲のインストゥルメンタルだろう!?

漫画「きのうなに食べた?」

うわーん、これで最終回でもいいくらいだった。ケンジ、よくがんばった!!!

劇団四季「ゴースト&レディ」

追いゴースト&レディしてきた。今回や友人と一緒で、心ゆくまで感想戦ができたのもよかった。前回はわからなかった不思議演出の仕組みがわかったのもよかった。前回はグレイが萩原隆匡さん、今回は金本泰潤さん。グレイ以外は前回見たのと同じキャスティングの方だったよう。金本さんは声が優しく歌がとても上手い。前回とまったく同じ席で(そんなことってあるのか!)今回もグレイの退場を至近距離で見送ることができた。

「行こう クリミアへ行こう 走る雲を追いかけて」と「明日へ導く 不思議な絆」はほんとうにい歌で、特に「走る雲をおいかけて」は自分の中ではレ・ミゼラブルの「民衆の歌」と同じくらいの位置にあがってきています。

映画「シビル・ウォー」

全部◯◯◯◯のせいだーー!!!!

同じ感想を持つ人がたくさんいるだろうけれど、あの香港ボーイのくだりが見ていて本当に恐ろしかった。日本でも同じようなことは起きていましたからね。内戦のむなしさよ。アカデミー賞の音響賞、脚本賞を取ってもらいたいです。

本作でニコンFE2とSONY α7R が登場していました。他の国内ブランド製品ではトヨタのランドクルーザーも登場していましたが、最近の映画では少し貧乏なコストコンシャスな人たちが乗る乗り物という扱いなのかもしれません。

漫画「ミュージアムの女」

美術館に行く人は一度全員目を通しておくといいよね! その展覧会に居合わせた人たちの立ち居振る舞いで、観覧の記憶が素晴らしいものになったり、うげーーなものになったりしますので、誰もが気持ちよく、楽しく、よい思い出を持って帰途につきたいものですわね。

映画「憐れみの3章」

ヨルゴス・ランティモス監督作品で、エマ・ストーンとウィレム・デフォーが出演しているので見に行った。世界の不条理さを訴える短編映画3本を共通するキャストで演じた3時間弱の作品。第1章理不尽、第2章は不条理、第3章も理不尽と不条理と章を重ねるごとに変態度があがっていく。

富豪役のウィレム・デフォーが着ていたカシミヤのセーター、30万くらいするんしょうね、あれ・・・と西欧の富豪生活に目を奪われた作品でもございました。

映画「悪魔と夜ふかし」

テレビ番組の生放送中に起きた怪異を、ファウンドフッテージ形式で描いたオーストラリア製ホラー。衣装、スタジオデザイン、タイトルロゴ、音楽など1970年代の雰囲気がムンムン! アメリカンセレブの悪魔信仰という陰謀論大好きっこたちへ送るアメリカンテレビショーの実態! ぐええーーーというシーン多数。げに恐ろしきは人間であることよというオチもホラー映画らしくていい。

しかし、「NOPE」といい、アメリカのテレビショーって不穏な題材になりがちよね。

映画「リバー、流れないでよ」

アマプラで配信開始になってすぐ、タイムラインでいい評判が流れてきたので、早速見てみた。貴船伝説、びっくりするほどの美少女(乃木坂の子)と友情出演の本上まなみと近藤芳正。本上まなみの美しさが神々しくてこの人が乃木坂の子の役柄でも全然構わないよ、とも。これも低予算映画だったと思うけれど、撮影が大変だったと思う(見ればわかる)。愛おしい90分映画です、ご興味あればぜひ。

映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」

「はい、終了~! 撤収して解散解散!!」といった感じの映画でした。前作で描かれた社会的に追い込まれていくいたたまれなさとは違って、どう考えても自分が原因で巻き起こされていくあらゆるいたたまれなさが辛い。

リッキーを演じた Jacob Lofland を別の作品でもみたい。イニシェリン島おじさんのブレンダン・グリーソン、アーサー(ホアキン・フェニックス)にあれだけ辛くあたるということは、本当はアーサーのことを親身に思っている優しいおじさんなのでは・・と思ってたけど、違った。全然違った、ブレンダンおじさんに期待していたのに!

「おまえなんて人の話は聞かないし、ちょっと優しくされただけで惚れられたと勘違いする、頭も悪いみじめなやつだよ」みたいなセリフをいっていた。それ刺さる人が多すぎる映画とはいえそんなこといっちゃだめーー!!

ゴッサム・シティで使われている小さなブラウン管テレビはSONYとPanasonic社製でしたよ。1960年代後半に輸出されていたものがモデルかな、どうかな。

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