概況
10/14-10/20
句会、アトラス彗星にちなんで一句読んだ。助詞の使い方が危なっかしいので、どうにかしたい。
松本の農家さんたちがやっているオンラインショップで松茸と秋の果物を買う。葡萄2種・梨3個・りんご3個、送料込みで4500円。都会のスーパーの果物の高さを思うと、これはこれでありかもしれない。いまのところ全部おいしい。よかった!
松茸ごはんは白ご飯さんのレシピがいい。昆布だけだとパンチが足りないので、できあいのだしもヨシです。
余った松茸は土瓶蒸しに・・・でも僕の家には土瓶がない! そんなひとは簡単茶碗蒸しがいいです。でも僕の家には蒸し器がない! そんなひとはレンジでチンです。600Wで2分やって、まだゆるかったらあと1分、まだゆるかったらあと1分という感じで微調整しながらやれば大丈夫です! みなさまもぜひー。
映画「658km、陽子の旅」
東京でただただ自堕落に暮らしているだけの若中年の陽子(菊地凛子)に、20年絶縁している父の危篤の知らせが弘前から届き・・・・。2023年、第25回上海国際映画祭で最優秀作品賞、最優秀脚本賞(室井孝介・浪子想)、最優秀女優賞(菊地凛子)を受賞。
菊地凛子というのはすごい女優さんですよ。弘前に近づくにつれ、父親との距離も近づいていく。最後、父の姿は、林檎農家として働きに働いた農夫の手としてスクリーンに映る。胸が詰まる場面。いやはやほんとうに菊地凛子というのはすごい女優さんですよ。アマプラで。時間がありましたらぜひ。その他、竹原ピストル、風吹ジュン、オダギリジョー、見上愛、浜野謙太など。
映画「国境ナイトクルージング」
原題は「燃冬」。中国と朝鮮半島の国境に位置する街・延吉を舞台に、偶然出会った男女3人が街をクルーズ(ぶらぶらと観光)するなかで起こる心情の変化を、繊細な映像美と抒情的音楽でつづった青春映画。
中国の寒い土地の映画が大好きなのでみてきた。国境に流れ着いた葦のように頼りない男2人、女1人の小さな冒険の物語。ちょっとしたどすけべ映画。邦題が不評なようなのですが、挫折と閉塞感を抱えたふわふわした若者たちの物語には、これくらいふわふわした邦題でちょうどよいのでは。最後、彼らは山に登る。山に登ればなにかが見つかるわけではないのだけど、なにかを得た3人は・・・というヌーベルバーグです。
昔のこの手の冒険物語はもっとシャレにならないことをしていた気がしますが、この慎み深さ、さすがZ世代・・なのかしら。そうなのか?
「現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた」
「アートなんてやっていていいのか」、3.11以来、自分の活動に行き詰まりを感じていた現代美術家が、ひょんなことからマタギの村へ。濃密な自然と濃厚な人間関係にほだされ、いつのまにかマタギ頭に嫁いでいたその日々をしなやかな文章で綴り、多くの人に勇気を与える傑作移住日記の誕生!
こんな暮らしぶりをしている土地がまだあるのかという驚き。「消費社会にない選択しがここにはある」という著者はいうけれど、食べるために費やす時間がすごく長い。山から山菜をとってきて食卓に出すまでのさまざまな工程(その山に登る往復の時間だって馬鹿にならない)、なにかといえば飲み会が彼女の家で開催され(それは多分、自分たちよりは若く頼りになる長男坊がいる家だから)、その飲み会のために提供される食べ物だって大変な労力を持って供される。消費社会じゃないってこういうことか。私の母がマヨネーズがないとき、自分でレシピ本を開いて自作していた姿を思い出した。著者はその地に残るシナ布を工芸として保存する仕事を主婦業のかたわら行っているのだが、そんな支えになる事業があってよかったよね、と。
このご家族、たとえ世界が滅んでも、山さえあれば絶対サバイバルできるんだろうな。すごい。まるで「釣りキチ三平」の世界。いいですか、みなさん、「釣りキチ三平」が連載開始したのって1973年ですからね、50年前ですからね。
関係ないけど、「釣りキチ三平」の薄い本があることを知ったときは、世界の深淵を覗いた気分でしたわ。