二十年僕らはおなじ場所にいる/映画「ファイトクラブ(原題 Fight Club)」

Fight Club (字幕版)

テルマ&ルイーズ

eiga.comの【「テルマ&ルイーズ」公開30周年】脚本家が訴えた「女性と正義」の関係、ブラピが演じた役にまつわる秘話の記事を読んだ。ブラピの役のオーディションに、実はジョージ・クルーニーがいたとか、「スポットライト 世紀のスクープ」のマーク・ラファロがいたとか、そういうくすっとするトリビアも書いてあるんだけど、記事前半の脚本家のインタビューに心を打たれた。

(本作脚本家の)クーリ「私自身、当時鑑賞していたあらゆる映画とも異なっているということを把握していましたし、この脚本は書かなければいけなかったんです。それまで、私自身、もしくは私の知る女性が映画を通して『体験したい』という気持ちを表現した作品を鑑賞したことがなかった。ほとんどの登場人物は、私と重ね合わせることができない女性ばかり。女性として映画を見に行くこと自体『恥ずかしい』と感じていたんです。自分の運命を支配し、生き生きとした姿を見せる女性。そのような女性が登場する、これまで見たことがない作品を切望していたんです

そんな強い思いがこの作品に込められていたとは。

公開当時に本作を映画館で見ているのですが、あまり筋を覚えていない。
ブラピがレイプしようとした、しかしなんだこのイケメンはと目を奪われてしまい、その後の展開をあまり覚えていない、ダメ観客! 
次の記憶は、ポリスカーに追われ「わーーーー」と渓谷ジャンプするラストシーン。ダメだ、私の記憶はダメダメだ!
でも最後に猛烈な爽快感と開放感を味わったことだけはしっかりと覚えている。そうか、わたしは、知らずしらずのうちに脚本家のメッセージを受け止めていたということなのか。

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しかし本作のよいところは、身持ちの固い主婦がうっかり羽目を外す相手がブラッド・ピットだったという点。これがジョージ・クルーニーではちょっとアクが強いし、マーク・ラファロでは真面目すぎる。これはブラピの敢闘賞作品といってもよいのではと、彼のプロフィールをWikipediaで改めて読んでみた。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、北アイルランド、ドイツの血を引くそうです。なるほど、この多様さ! ブラッド・ピットをブラッド・ピット足らしめているこれらの多様な血脈の中でも、ドイツの血がいい感じに仕上げ処理したのではないかと思います。

そんな彼の主演作品「ファイトクラブ」をきちんと見たことがあるようなないような記憶でしたので、昨夜アマゾンプライムビデオで見てみました。

ファイトクラブ

物語の冒頭はこんな感じ。Wikipediaから。
大手自動車会社に勤務し、全米を飛び回ってリコールの調査を担当する『僕』(エドワード・ノートン)は不眠症に悩んでいた。高級コンドミニアムの自宅にはイケアのデザイン家具、職人手作りの食器、カルバン・クラインやアルマーニの高級ブランド衣類などを買い揃え、物質的には何不自由ない生活を送っているものの、症状が改善しないまま半年が経過している。

高級コンドミニアムは158m2、高級!! 
でも家具はIKEA! 当時はIKEAもいけてたのかしら! もっとこう・・・北欧の高級なおしゃれ家具はたくさんあるだろう・・? 
スターバックス、クリスピードーナツなど、いまでは日本でもすっかりおなじみになったフード系ショップがでてくる。カルバンクラインのシャツ、アルマーニのネクタイ・・・。高級感の演出が素朴!! 1999年当時なんてこれで十分だったのだ。現代は、高級感がインフレを起こしているだけなのだ。ブラッド・ピット演じるタイラーもこの作品の中で、こういってるではないか。

「我々は消費者だ。ライフスタイルに仕える奴隷。殺人も犯罪も貧困も誰も気にしない。それよりアイドル、テレビ、ダイエット、毛生え薬、インポ薬にガーデニング・・・。何がガーデニングだ! タイタニックと一緒に海に沈めばいいんだ!」

1999年にタイラーはそういってるのに、わたしたちは20年経ってまだ同じ場所をぐるぐるまわってる。高級感がインフレを起こした社会で、200万もするレザーの重量1.5kgのバッグがほしいとか、欧州の1億する時計を買う様子を動画配信したりする、みんなでぐるぐるまわってる。いずれわたしたちはバターになっちゃうんだろう、ライフスタイルという名前のヤシの木の周りで。

以上! オチはなし!

 

ちびくろ・さんぼ

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