ねじめ正一の日本語はキレがいい -シーボルトの眼

シーボルトの眼―出島絵師 川原慶賀
シーボルトの眼―出島絵師 川原慶賀 ねじめ 正一
以前、さくまりさんからねじめ正一の「眼鏡屋直次郎」という時代小説を薦めていただいた。幕末の江戸の様子が生き生きと描かれていて、ねじめさんってこういうのも書くんだーと思いながら読み進めた。江戸時代に眼鏡屋がございましてね、という話。こういう市井の話に実在の人物(この物語ではシーボルト)がからんでくるのがちょっと楽しい。
そんな記憶が頭の隅に残っているある日、この本を図書館で見つけ、今日読み終えた。
物語は、長崎出島の出入り絵師・川原慶賀の物語。若くして長崎出島の出入り絵師となり、長年オランダ人のために絵を描く仕事を続けるが、絵師として油ののってきた頃でシーボルトに出会い、それをきっかけに人生が変わってゆく。職業人として男としての絶頂期から、シーボルト事件をきっかけに、その職を解かれ、ついにはまた別の件で江戸・長崎所払いの身分となり、没年も不明のようである。しかし、彼の作品は、長崎県内に、またシーボルトの生国オランダ、そしてヨーロッパには6000点近く存在しているのだから、歴史に残る仕事ってのはたいしたもんだ。ねじめ正一のキレのいい江戸っ子文章が小気味よく、長崎くんちを見にいきたくなりましたよ。
ところで全然関係ないけど、2chとかでわざと間違ったものの書き方することがござあますでしょ? わかっててやってる分にはいいんだけど、なんだか最近ちゃんと日本語を聞き取ってないのかしらと思わせる被検索語が続くのよ。あの「ふいんきって入力したら、漢字に変換されなかった(ふんいきだろ!)」という類のやつよ。あたいちょっと心配よ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください