荒野へ! 映画「イントゥ・ザ・ワイルド」


原作「荒野へ」。監督ショーン・ペン、主演エミール・ハーシュ。映画公開終了も間近らしいので思い立ったら吉日とばかりにひらりと新宿のレイトショーへ。
基本的にアメリカを放浪する青年のロードムービーなので、なんと退屈な映画なんだろうと思う人もいるでしょうし、いちいちにいろいろな発見をし、時間を忘れてしまう人もいると思います。私も意外と長いと感じずに見られました。ラスト15分、あらゆるものが研ぎ澄まされていく描写、特にエミール・ハーシュ演じるクリスの生命のきらめきと薄水色の空(そしてそこまで自らを追い込んだ役作りっぷり!)・・・とても余韻が残ります。
主人公のクリスは生きていたら41歳。預金金利が5%とかあったバブルの時代の終焉に、彼は、アラスカの大地でふとしたアクシデントで命を落としていたのですね。1992年、パパ・ブッシュの時代ね。
映画を見終わった後、早速文庫版の「荒野へ」の地図を見返したのですが、アメリカ人がアメリカという国以外を知らなくてもそりゃー無理もないかな、と思いました。だってアメリカ広いんですもの。行っても行ってもアメリカなんですもの、どこまでも英語が通じて、マクドナルドかバーガーキングがあって、トレーラーハウスで移動しながら暮らす人たちがいて、それを迎えるコミュニティがあって、移動しない人たちは、バックパッカーを寛容に受け入れ、適度におせっかいを焼く。私は、その「移動しながら暮らす人」たちのメンタリティがよくわからない。彼らは何かを探しているのでしょうか? それとも何かから逃れているのでしょうか? この映画の中のクリスも(実際に1992年まで生きていたクリスも)、何かを探し求めながらも、あるものから必死に逃げていました。その捜し求めているものは、決して自分探しなどという類のものではないのですが・・・。
見る人が見たらキリスト教的映画だと感じるのではないでしょうか。映画館に足を運んで、スクリーンで見ることができてよかったと心から思える映画でした。
エミール・ハーシュは、レオナルド・ディカプリオ系の猿顔で(その系列の中には若かりし頃のショーン・ペンも入っているのですが)(マット・デイモンやブラッド・ピットはその系列とは違う猿顔の系列)、アメリカ人はこういう顔の青年が本当に好きなんですな。面長じゃなく、笑うとくしゃっと鼻に皺が入るタイプ。

4 COMMENTS

在北米

うわ、いま更新中ですか?こちら西海岸時間、、って国内に時差があるのも、なんですよね。

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スガ

アメリカ広いものねー、うむうむ。って・・どなたかお名前を聞いてもよろしいでしょうか?

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在北米はな

失礼しました、ちょっと前に北米大陸の時差についてコメントを残した「はな」です。キモノミチのあの緑の画面からの愛読者なんです。最初に検索でたどり着いたのは、確か、暴力着付けの記事。今となっては検索語はすっかり忘れましたが。。
ウカ様さいこーです!

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スガ

ややっ、失礼しました。知り合いが今北米にいるので、その方かと思いまして。アメリカは今どんな陽気ですか? 地域によってだいぶ違うと思うのですが、なかなか想像がつきません。
キモノミチのあの緑の画面から・・・恐縮です!

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