甘いだけじゃなく、恋には頓知を! 映画「恋愛小説家」



1997年公開の『恋愛小説家』。ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハント、グレッグ・キニア。
甘い甘い恋愛小説を書いてる割に、世にも稀なる毒舌(ナガとかの比じゃないよ!)を持つ主人公・メルヴィン (ジャック・ニコルソン)、潔癖症で強迫観念賞の彼は、馴染みのカフェでも毒舌三昧で客にもウェイトレスにも嫌われる始末。隣の部屋にはゲイの芸術家(ゲイだけに☆)サイモン(グレッグ・キニア)がへちゃむくれ顔の犬と暮らしている。その犬もなんだか気に入らなくて、ダストボックスへ投げちゃうくらいの人非人! しかし、ひょんなことから、その犬を預かることになり、また、くだんのカフェできりりと働くシングルマザー(ヘレン・ハント)に惹かれていき・・・・。
この映画で、ジャック・ニコルソンとヘレン・ハントは、アカデミー主演男優賞と主演女優賞を受賞するのですが、それもそのはず、なんと細やかな演技なんでしょう! ヘレン・ハントが、ゲイ術家のサイモンにキスを送るときの、ジャック・ニコルソンの「あぁ・・・・・・ぁぁー」という顔、今日の君はステキだといってほしいのにジャック・ニコルソンがつまんないこと言ってがっかりするときのヘレン・ハントの「・・・・!!!」という表情とか、ぐいぐい引き込まれます。ジャック・ニコルソンが、ヘレン・ハントを口説くセリフがまたいいんです。病気の幼い息子を抱えながらも、しっかりと育てている、事件に巻き込まれすべてを失い傷ついたサイモンを癒し、勇気づける、そんな彼女の魅力を、ジャック・ニコルソンが穏やかな声で、でも顔は、バットマンのジョーカーのあの顔で、とつとつと伝えるのです。
この世で僕だけが
君がこの世で最高の女だと知っている
君はどんなことでもこの世の誰よりも上手にやりとげる
例えばスペンサー・・・スペンス(彼女の息子)への接し方
君の頭の中にあるすべての思い
そして君が口にする言葉はいつでも真摯で
善意にあふれている
なのに大抵の人間はそれを見逃している
(中略)
そしてそれに気がついているのはこの世で僕だけ
それが僕には、誇らしい

この言葉がどれだけ彼女の力になったことでしょう!!
携帯電話のない時代っていいなーと思わせる大人の恋のおはなし。3人のプチ・ロードムービーシーンも印象的。物語の核にちゃっかり居座ってるオレンジ色の犬・ブリュッセル・グリフォンがいい。上のジャケットでジャック・ニコルソンが抱き上げている犬ね。この犬を演じた賢い俳優犬の名前が、ジルちゃんという名前であったことをお伝え申し上げておきます。
しかしこの映画、アメリカの健康保険ついても鋭く描いています。事件に巻き込まれて半死の状態に追い込まれたサイモン君ですが、健康保険に入っていなかったため、治療費の6万ドルが払えず破産します。病気治療中の息子は、まともな医者に見てもらえず、血液検査をしようにも「保険の範囲外だから」と相手にしてもらえません。1997年の公開当時なんて、日本人のほとんどがアメリカの健康保険がどうなってるかなんて知らなかったでしょうから、このシーンは日本人ポカーンだったでしょうなー。日本の健康保険制度もどうなることじゃろうかの・・・などと本編とはあまり関係ないことにまで思いを馳せてしまいました。
ジャック・ニコルソンの存在感をたっぷり味わいたい方に、是非!
あと、犬好きの方もー。
今日の天気、乃木坂で雪。
今日のおまけ。Helen Hunt で検索してでてきた記事。
Hollywood Celebrities When They Were Young
レオナルド・ディカプリオがなんかかわいい。

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