胸のすく痛快映画を見てみたい/レザボア・ドッグス

 

映画冒頭、「マドンナのライク・ア・ヴァージン」について熱く語るタラちゃんの周囲の人々の『だからそれがどうした・・』『いつ終わるのか、このくだらない話は・・・』という共演者さんたちの冷え冷えとした表情がなによりのご馳走じゃて。

「どんな映画だったっけなー」と思い出しながら見てみましたが、1992年制作のこの映画、黒ずくめのスーツにサングラスの男たちがレストランでの朝食を終え、「さぁいっちょ仕事(宝石店強盗)でもさくっとやりますか」と店を出て歩道まで歩くあの場面、あのかっこいい男たちを拝めるのはこのシーンまで、オープニングが始まりGeorge Baker の「Little Green Bag」が終わると物語は強盗劇終了後の場面へ話は移る。

あぁーそうか、こういう映画だったかー。「おいしいところを持ってくスティーブ・ブシェミ」伝説幕開けの作品だったのかー!

この映画やクエンティン・タランティーノ監督について語るテクストをかなり読み込んでからの鑑賞になるので、素の状態で楽しめたかというとちょっと疑問符が残るんけど、暴力を描く作品ではなく、暴力を描くまでの暴発寸前の人々のコミュニケーションを描いた作品なのですな。ハーヴェイ・カイテルがかっこいい・・・・、スティーブ・ブシェミも若い、この頃は怪優というほどの風貌ではなく、おいしいところを持っていくオーラをすでに持っています。さすが90年代にもっとも働いた俳優の一人! その他気のついたところ。

・携帯電話が馬鹿でかい
・潜入刑事役のティム・ロス、白のタンクトップに革のジャケットを羽織るんですが、なんですか、古今東西潜入捜査官はタンクトップ以外の着用を認められていないのですかっ! 白タンクトップではまるで肌着のようですよ! そしてこの潜入捜査官が後にパルプ・フィクションで強盗役をやるのかー。ふむー。
・タランティーノもこの時点ではそんなに顎が出ていない。年をとると目立つところが先鋭化してくるのかしら、顎とか頭髪とか大きな目とか。
・えっ、このポスター買えるのかな? ちょっとほしいぞ。
・私はこの頃、制服を着てるOLさんで、映画を見るくらいしか楽しみのない生活をしてまして(今とあまり変わらないね、☆(ゝω・)vキャピ)、この映画を見たのはずっと後だったと思う。この映画にハマって、変な熱に浮かされすぎずにすんでよかったと思う。うん。ものの出会いには時期というものがあってのぅ。

しかし20年前の映画なのかー! 冒頭の「マドンナのライク・ア・ヴァージン」の話の中、「チップを払え・払わない」で揉めるシーンがあるんだけど、「大学を出てない若い女の一番人気の職業がウェイトレスなんだぞ、こういう子たちにチップも払わないでどうする?」という会話が出てくる。そういう飲食業界の人たちも、客から一定の気遣いをしてもらえて、楽しく暮らせていた時代だったのよな。いまはどうなのかなー。なんというか、もう、日本に限って言えば洒落も通じない世知辛い世間になったような気がするよ。

胸のすくよな映画を見たくて借りてきたけど、ヒリヒリするよな会話を聞き逃しちゃなんねぇと緊張してみる映画でした。もうちょっとリラックスした映画を見よう。次回は! そしてこのレザボア・ドッグスを見た直後から、DVDプレイヤーが動かくなりました。なんてこったい!

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