プルメリア戦勝国に高くあり/三泊四日(機中泊1)JAL ボーイング767で行く弾丸ホーチミンツアー


メコン川。

正月にうっかりとハノイに行き『ベトナムすげぇ!超楽しい!』と軽くハマった私、感動の薄れないうちにホーチミンにも行ってみたいなーと思っていたところ、にゃんと、JAL が3月末に深夜発便で羽田-ホーチミン線を就航! 機材はボーイング767、欧州線でも使われているJAL SKY SUITE ! エコノミークラスでもモニタがでかくてUSBの充電ができる素晴らしボーイング。ほほぅと思っていたところ、某旅行代理店サイトにて「就航記念キャンペーン! JAL直行便往復三泊四日(機内泊1泊)」が「あらっ、そんなにしゅてきなホテルに二泊も泊まらせてくれるのにこんなに安くっていいの?、うふふふふ、さては算数が苦手ですな」という破格値で出ており、こりゃいくべ、どうすべ、一人旅ももう飽きたなー(←早い)と思っていたところ、前回のハノイ旅行記をいたく気に入ってくれたネットのお友達に声かけたら、『行く行く行くー、会社一日休めばいいんでしょー』と二つ返事、それでは行きましょう行きましょう、とひらりと羽田から行ってきましたよ。

1時30分羽田国際空港発、タンソンニャット国際空港午前5時着、飛行機の中ではまったく寝れない人間なので、着いたその足で朝7時ホテル発の終日観光に参加することにした。前回ハノイからハロン湾への一日観光に参加したとき、移動中のバスの中でぐっすり眠れたので、今回もそんな感じじゃろうと思い事前に申し込んでおいた。これが大正解、ガクンガクンと社内で居眠りしながら疲れを取りつつ観光でき、一日無駄にせずに済みました。ビバ!

今回は、クチのクチトンネルの観光がしたくって行ってきましたの。クチトンネルってどんなところ? 施設でもらってきたパンフレットを転載いたします。

クチトンネルはサイゴンジャーディン司令部、クチ県の軍区、そしてクチ県の人民が堅固に抵抗した場所であると同時に、戦争中に様々な戦略に対応した所です。このトンネルはベトナムに勝利をもたらした要因のひとつとして知られています。

(中略)

ホーチミン市に来たら、かつてベトナム人がどんなに熱く、恒久的な幸福、独立、平和を願っていたか、また解放を勝ち得るための戦いが、どんな苦しい戦いだったかを知ることができるクチトンネルに是非来てください。

そう、クチトンネル! 温厚なベトナム人ガイドのみなさんが「フランス人は馬鹿だからすぐ引っかかるんだけど、アメリカ人はちょっと賢いからなかなか手強いねー」などとうっかり本音をもらしたりする場所! ホーチミン市内から約70km、ゴムの木のプランテーション畑の間をまっすぐ切り開いた道を進んでいくと到着します。


北海道の道のようにまっつぐ!


ゴムの木のプランテーション畑。


施設案内図。所要時間は約1時間。


見たことのない果物。


『僕たちは、知らなかったんだ。あの建物の先にあんな世界が待っていたなんて・・』とアテレコしながら進んだ施設の地下通路。


まずは当時の様子をまとめた15分ほどのビデオを建物内で鑑賞。建物ごとに英語・フランス語・日本語などに分かれていたようです。で、このビデオがすごい。十代・二十代前半の農民兵たちが、如何に勇敢に、如何に知恵を絞り、苦労を苦労とも思わず、戦いのさなかに稲を育て、果物を採り、祭りで踊り、毎日の暮らしとともにアメリカ軍と戦っていたことか! 詩の朗読が好きだという可憐な少女がキュラキュラキュラと音を立ててやってくるアメリカの戦車に向かってお手製のぷち爆弾を投げつけ、爆発させたりするのですよ! すげぇ・・・リアル・ディエンビエンフー・・・。それが1970年代の話ですよ、その女性たちは還暦を迎えたか迎えてないかというところではないでしょうか。同時期の日本のことを思うとなんというかまぁすごい、すごい。

ビデオ鑑賞が終わったらガイドさんの案内で施設を散策。


施設内には当時のベトナム軍の紛争をした若者たちがいて、地下道への入り口でこんなポーズを取ってくれる。これがしたかったんですの。


若者はすっとまっすぐに腕をあげていたけれど、意外とこの蓋が重い。また入り口のスペースもとても狭く、ちょっとお腹のつきでた日本人男性なんかは無理なんじゃないでしょうか、ましてやアメリカ人をや! などと思っていたその瞬間、ガイドの男性が「アメリカ人は太いから一度入ったら終りねー」と! あぁ、あたい、そのセリフが聞きたかったのですよぅ・・・


女性兵のマネキン。ハンモックで休んでいたそうです。昼は緑の戦闘服、夜は黒い戦闘服、タイヤのゴムを再利用したサンダルを裸足で履き、黒白格子のスカーフを巻いてます。この身軽な戦闘態勢、南国では動きやすかったことじゃろうて。
施設内にはこのようなマネキンが当時の様子を再現するように配置されており、なかなか見応えがありました。


当時の落とし穴。えっと、ぐるっと回ってぐさっと刺さって鉄の棒の先には返しがついていて、さらにその返しには人糞やら毒やらが塗られていて・・・痛かっただろうな。


「さぁお待ちかねー。地下のトンネルに入ってみましょー」と案内され、いよいよクチトンネルの内部に! 入り口が狭い! 通路も細い! 天井が低い! この中を身軽に移動していたのか。


みなさん中腰です。しかも暑い。湿気も少々。このトンネルは三層に掘られており、最大で8mの深さにまでなるそうです。それを、小さな手鍬ひとつで人の手で全長200kmもの長さを掘り続けたというのですから、なんという情熱と忍耐力でしょうか!


地上の光が見えたのでデモンストレーション用の通路から抜け出た。青空って素晴らしい。


しばらく歩くとおみやげ物のライスペーパーを作っている女性が。わかります? よしずみたいなものに白くて薄い丸いものがかけられているのが。これがライスペーパーなんですのよ。こんな手間暇かけて作っているのか!、と驚く。でも50枚で200円くらいなの。なんだか申し訳ないくらいのお値段。


歩き疲れたところでおやつタイム。お芋を干したもの、だったと思います。


おやつコーナーにきれいな金色の猫が! アビシニアンとかシンガプーラとかそういう熱帯系の猫ちゃんかしら、と写真を撮っていると。


「おまえ写真撮ったな」


「かわいがるってことだな」と迫られる、困ったなー(ニヤニヤしながら)。


メコン川ミトーでお食事。皇太子殿下も立ち寄られたことがあるガーデンレストランです。奥の丸々としたものは揚げ餅、バリバリとくだいて食べます、ちょっと甘くて美味しいの。豪快なエレファントフィッシュの料理もおいしかっただよ。ビールが100円とか200円なのでかなり楽しい。


食後はメコン川クルーズ。おぉ、メコン川!


メコン川の港町。


簡単な作りの船でタイソン島へ渡ります。
ここは観光とフルーツで成り立っている島です。


ニシキヘビがお出迎えー。「首に巻けますよー」とガイドさんが声をかけてくれるもののみなさん尻込みされてる。「シンガポールでインド人に蛇巻きつけられたときは500円取られましたよ」と話しかけると、「じゃぁタダなら・・・」と同行の青年たちが蛇を巻いてみたりする。ふはは。「年賀状に使えますよ」「わーほんとだ、ってへび年って去年じゃん!」などと楽しく会話を。


ここでもおやつタイムー。ドライバナナなど。


はちみつティーが振る舞われる(この後、はちみつとロイヤルゼリーの売り込みが)。


ココナッツキャンディー工場でココナッツキャンディーが振る舞われる(この後、ココナッツキャンディーの売り込みが)。

犬も寝ますわい、気温35度。


夏そのもの!


ホテルの朝食でも出たけど、味のないりんごといったところ。


お次は水路クルーズ。


こんな小さな船に4人ずつ乗り込みます。


この謎の熱帯植物の大きさ! 自分がコロボックルになったみたい。


バスタブ島の女の子は元気かなーと思いながら。


ここで洗濯物を洗って干して、鶏を飼ってたまに〆て、牛の鳴き声も聞こえたし、犬の声も聞こえた。小さい子の笑い声も、昼間からハンモックで昼寝してる年配の男性たちも、ハンモックに寝そべりながらスマートフォンいじっている少年も。自分の知らない暮らしは、それだけですでに映画みたいなものだけれどもここで暮らすってどんな感じなんだろう。


さよならタイソン島。

ホーチミンに戻り、夕食を兼ねて市内観光を。


パパイヤとシジミのサラダ、おいしかった!!!!!!


フランスの忘れ物、オペラハウス。


ホーチミン人民委員会庁舎。


そして大量のバイク!


ベンタイン市場のナイトマーケット。この物量が、アジア!


そしてまた大量のバイク。

二日目。


次の日は自分たちの足で市内観光。動植物園内に併設の歴史博物館まで。休日だったのでにぎやか。


こんな仏像などを。ミニマム大英博物館!!!


てくてく歩きながらこれもまたフランスの置き土産の中央郵便局へ。


素晴らしい天井! 床のタイルもとても美しかった! 
台湾で迷いこんで入った病院に雰囲気が似てたわ。


おみやげが売られてます。楽しい観光地です。


郵便局の向かいは聖母マリア教会。前回はこれの立体カードを買ってきたんだなー、あたい。


前撮りカップルさん! お幸せに!


次に戦争証跡博物館。一番上のフロアでは、写真でベトナム戦争を追って見ることができ、日本人カメラマン沢田教一の写真などが飾られています。彼の有名な「安全への逃避」も。女性が子どもたちを連れて川を渡ろうとするあの写真です。その他、ロバート・キャパの写真や枯葉剤の被害にあった男性の人生を追った写真なども。日本語解説も充実してますのでみなさま、ホーチミンに行かれましたらぜひ!


こんなでっかい爆弾落とされて・・・よく勝ったな・・・・。


ホーチミンでは、お昼時はこういった施設がお昼休みに入るので私達も休憩タイムに。


街路樹の葉っぱがでかい。


お昼休みのあけた統一会堂へ。フランスからベトナムへ、傀儡政権のものとなりその陥落の日まで、という数奇な運命をたどる宮殿です。南ベトナムの建築家のゴ・ベト・チューの手によるものらしいですが、洗練された、且つ動線の整った建物でした。晩餐会の部屋、謁見の部屋、さらにステージを備えた映画室、地下には軍事司令室が。現在でも国際会議を開くことがありそうです。


2フロア分の高さのある天井。床の美しさを見て!


会見室。うひゃーしゅてき!


でもこんなところにすずめがいたりして。


地下の厨房、ここでたいそうな料理が作られたことじゃろうて。


厨房機器はほとんどが日本製。
この会社さん、今はこの会社らしいっす


「サイゴンのいちばん長い日」に出ていた建物なのよねぇ。歴史だなぁ。


市内観光はそのくらいにして、市ヶ谷にも一時出店してた24PHOへ。
うまい! オーダーしやすい! 観光客も安心よ!


その他チャイナタウンの市場やら。


この鮮やかさとか。

3日め。


帰国の日。タンソンニャット国際空港を14時出発の便で、朝11時にホテルへお迎えが。この日は朝食後、ベンタイン市場まで足を運んでみるものの、客引きがかなり積極的で逃げるようにして出て、街を散策。雰囲気の良い本屋さんを見つけ、ワンピースのベトナム語版などをちらちらと立ち読みしてみる。ワンピースやナルトやブリーチ、ドラえもん、コナン君などの需要があるのはわかるのだけど、日本の漫画コーナーにじゃりン子チエが数巻入っていたのには驚いた。大人向けなのかな。

ホテルに戻り荷物を詰めて、といっても実質二泊三日なのでリモアのビジネストローリーの中身はスッカスカ。
いくつかのホテルをまわって客をピックアップして空港へ。市内からタンソンニャット国際空港まで15分くらいなの、このくらい近いと楽でいいね。


最後に空港で食べたフォー。8ドル。空港の外では一食400円もしなかったのに、いきなり現実に引き戻されるお値段。

【旅の感想】
2009年頃までの香港は、日本ではちょっと泊まる気になれないお高い金額のホテルが「うひゃひゃ」という料金で楽しめたりして愉快だったのですが、もうね、香港のホテルめっさ高い、ドキドキしながら予約する感じ、あと大陸のお客様が大変多い。中環のお高いファッションビルのお高いブランドのブティックに、ピンクの薄手のパイル地の上下ジャージー姿でぶどう色のクロコダイルのこぶりなバーキン持った大陸のお客様がぺんぺん草も生えない勢いでお買い物をしてらっしゃいます、「ひええええ」とおののいちゃう姿です。すみません、財布一個買うのに逡巡してる日本人なんて用ないっすよねーと卑屈な態度を取りたくなるような。
そんなことを感じずに済む「ちょっと前の近距離アジアで楽しめたうひゃひゃな感じ」がまだまだ十分楽しめる土地です。自然も豊かで、歴史も長く、見どころもあります。ホーチミンも大量のバイクで空気があまりよろしくなく、ここへの旅はイソジンとマスクが欠かせません、ハノイほどではありませんが。やっぱりなんといっても「アメリカに戦争で勝った国」というのがすごい。

ベトナムの人たちは手先が起用なので、前回の立体グリーティングカードやベトナム手刺繍などレベルが高くセンスも良い品物が多く、買い物も楽しいです、全く買い物しなかったけど。今回の旅で使った一番大きな支出は、帰りの機内販売で買った2セットで5400円のベルギーのチョコレートでした。ベトナム料理は、私達の普段の生活の中でもかなり触れているようで何食べてもおいしい。というより、どこの国にいっても「あ、この料理屋さん、日本にもあるよね、食べたことがある」という経験ができる日本に生まれたということが素晴らしいことなんだと思います。

香港からは電車で中国の突端・深センという街に行けます、大手町から半蔵門線で中央林間に行く感じに似ています。深センは中国の中でも経済特区として早くから開けたところで、深セン駅に到着するとまずはどかんと大きな商業ビルがあり、そこを覗くといろんなものがどっさりと売られているわけですよ。エルメス風のスカーフとか、シャネル風のバッグとか、ミシェルコー的なバッグとか、バレンシアガによく雰囲気の似たエディターズバッグとか、そういうお高いブランドのものだけでなく、ポール・スミス風のiPadケースとか、吉田鞄のポーターに似てるビジネスバッグとか、そこまでの細やかなレベルのものまで作られています。こういうものがどこへ行くのかしらーと思って見てきたもんですが、それらにハノイとホーチミンで出会えました☆ あぁー国がつながってるって近いってことなんだなー、と改めて。

全然関係ないけど、空港で大きめのくったりしたボリードを持ってるマダムを見かけると、ついて行きたくなります。ボリード持っててサマになる女って、なかなかにいい女ってことが多いです。皆様も空港に行かれましたらぜひ注意してみてみてー。

私の東南アジア歴訪の旅はこれにてしばらくお休みです。まだまだ行ってない場所もありますが、ベトナムが結構性にあってるような気がいたしました。

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