イオニア海ひとりぼっちの日本人/イタリア映画祭「ラスト・サマー」

アナキズム・イン・ザ・UK −壊れた英国とパンク保育士奮闘記 (ele-king books)

「イタリアの映画をよく知ってくださいよー、FIATとフェラガモと帝国ホテルとアリタリア航空とイタリア文化会館などが応援してますよぅー」という主旨のイタリア映画祭がただいま開催されています。GWの間、有楽町マリオンの朝日新聞ホールで連日イタリア映画が上映されています。チケットはコンビニの発券機などから購入できます。このオープニングでイタリア人監督レオナルド・グエッラ・セラーニョリ、菊地凛子主演の「ラストサマー」という映画が見たくて、昨日行ってまいりました。

この映画を知ったきっかけはイギリス在住のブロガー・ブレイディみかこさんの記事から。

第13回:『Last Summer』の名残り(1) 時計じかけのアラセヴ Nov 06,2013
※映画好きな人には特におすすめなエントリ

第14回:『Last Summer』 の名残り(2) すべての道はライドンに通ず Dec 10,2013
※ジョン・ライドンファンはぜひー

第24回:異邦の人 Nov 06,2014
※作品のネタバレになっちゃうのでご注意を。

2年前の秋に「へー、子役ってこんなふうにスカウトされちゃうんだ!」と驚いて、2015年の4月に作品として出会うわけですよ。おぉぉーようやく出会えたね、という気持で行ってきました。あらすじはローマ国際映画祭の公式サイトから。

A young Japanese woman has just four days to say goodbye to her six year-old son whom she had lost custody of. Four days spent on board a sailing boat belonging to her ex-husband’s family, a gilded cage in the middle of the sea. Monitored by the crew, the woman is faced with the challenge of bonding with her son before she has to part from him.

欧州超セレブと結婚した日本の女ナオミ(菊地凛子)、なんやかんやで親権を奪われ、その息子(みかこさんの息子さん)と最後に過ごす4日間を富豪側から与えられる。別れの場として提供されたのは夫たちが持つ時価20億の洗練されたデザインのちょうごうかヨット(よくわからないセレブ煉獄!)、富豪側からあることないことふきこまれて警戒心丸出しの白人スタッフたちに囲まれた菊地凛子! そしてその息子の日英ハーフの男児ケン! 音楽に坂本龍一の名前があったり、脚本協力によしもとばななの名前があったりしてますが、あぁ、二人の明日はどっちだ!!! この4日間の行く末は! 

この寂寥感! 
この孤独! 
こんなアウェイな日本人見たことない! 

富豪側からあることないこと吹きこまれたというだけであんなに人は警戒し、冷淡に扱ったりはしないじゃろう(するかもしれないけど)。あれが海外にいる異邦人としての日本人の姿かもしれません。キツイなー。見ていて切なくなってほんとにきつかった。欧米白人から見たら、極東の島の女なんて本当に不可解でつかみ所のない存在なんだろう。それでも最後に人道的な光が射したのが救いだった(人道的とまでいいたくなるようなってのがまた)。

よい映画でしたよ。友達誘って行ったけど「途中から辛いというオーラを発したのに察していただけましたでしょうか!」とあとで散々ぼやかれた。いやいやきみきみ、白人のイケメン長身暴れん坊が街を破壊しながらカーアクションを繰り広げドンパチドンドンするばかりが映画じゃないですからねぇと諭しながら日差しさす緑陰でアワアワしたものを飲んで解散しましたとさ。エンドロールの衣装のあたりをじっくりと読みたかった、アクネスタジオしか読み切れなかったけど、あのパンツはイッセイミヤケかなー、あの水着はラ・ペルラ・・じゃなさそうだったけど、とか。

そして今朝、スタンディングオベーションの安倍さんを見て、うぅぅーんーーーーと思った次第ですよ。

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