別れという決断もあり鶸の鳴く/映画「ブルーバレンタイン」


週末は本当だったら西穂高に登って「ヒャッハー!!!」とやまびこさんと戯れる予定だったんじゃ。。。温泉旅館も予約していたんじゃ。。。そしたら台風で高速道路が通行止め。がっかり。。。
しかし紀伊半島の被害の大きさをニュースで知るに連れ、暗い気持ちに。大水害となってしまいました。本当につらい。水は怖い、おそろしい。私の地元でもかつて大きな水害があり、土砂崩れでたくさんの人の命が奪われた。日本中の川沿いの山間部では同じ危険性をはらんでいる。注意するということも難しいのかもしれないけれど、安全に避難できる場所をどの自治体にも確保してあれば、と思うのだが。。。

さて、そんな予定の無くなった土日だったので本読んだり、映画を見たり。藤沢周平の「春秋山伏記」を。月山の近くの麓の農村で、村の駐在さん的に活躍する若き山伏と、その村の人々の物語。江戸時代の農村ののどかさ・おおらかさと、村社会の狭さ醜さ、ちょっとなまめかしくて、相当爽やかで、でも、えぇーここでそんなぁーと悲しくなる物語の起伏もある物語。気楽に読めるので、鬼平とか江戸時代のお江戸の話を読みまくった方に、江戸時代の農村の話をぜひ。
私はこれを読んで初めて「山窩」と呼ばれる人々のことを知りました。この物語では「箕つくり」として登場するのですが、山窩とは人里離れた山奥にひっそりと独自の文化を守りながら暮らす人々のこと。主人公山伏・大鷲坊の幼なじみ(バツイチ)のとしえの娘が、秋祭りの晩に人さらいにあう。さらったのはどうやら遠い山からやってきた箕つくりの夫婦らしい。大鷲坊は、箕つくりたちが暮らす奥地を目指す捜索隊を結成するのだが・・・・という話。
日本各地にある平家の(あるいはそれ以外の武家の)落人伝説などとリンクして、山奥に暮らしながら意外と雅やかな言葉を使ったり、そこ独自のコミュニティとしても機能していたようです。ふーむ。藤沢周平は、以東岳、オツボ峰など、鶴岡市に実在する山々の上にこの物語を組み込み、現代に暮らす私は google map でその探索路を追いながら読み進めたのですけれど、とにかくすごい山の中。ちょっとした山岳小説としても読めちゃう物語。今では登山を楽しむ方も多いようで、探してみたらこんなページが。あらやだ、ちょっと素敵じゃなくって? うーん、こんな山の上に村をつくって暮らしていたのか。体力あったんだろうなー。
 ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体 (講談社+α新書) (新書) / 適菜収/〔著〕 
ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体 (講談社+α新書) (新書) / 適菜収/〔著〕

「ワンフレーズの言葉で騙されてんじゃねぇーよ、バーカバーカ、ゲーテも昔っからこういってんじゃん?」という内容の1時間くらいでさらっと読める新書。「試しに○○党にやらせてみようよ」と思った人は全員読んでおくといいんじゃないかなー。
はい、最後に本題の「ブルーバレンタイン」。今年4月公開、主演女優のミシェル・ウィリアムズは、この作品でアカデミー賞主演女優賞ノミネートを受けますが、体当たりなんてレベルじゃない覚悟の入った演技に感動いたしました。あらすじはこんな感じ、goo 映画から引用。
ディーンとシンディ夫婦は、ひとり娘のフランキーと3人暮らし。病院で忙しく働くシンディは、猛勉強の末、看護師の資格を取った努力家。一方のディーンは、朝からビールを飲みながらペンキ塗りの仕事をしている。2人はお互いに対して不満を持っているが、その話になると必ず喧嘩になってしまう。そんなある日、可愛がっていた愛犬が事故死する。その事を娘に気付かれないようにと、シンディの父親の家に1日預ける事にする。
物語は、二人が恋に落ちてから結婚に至るまでと、現在を交錯させながら進む。出会ったときは二十代前半の二人も、結婚から数年経った今では、ディーンの頭も禿げ始め、シンディは生活の疲れが顔ににじむ。二人に発言小町があれば、嫁さんのほうが適当にガス抜きできたかもしれない、逆にディーンは「そんなのおかしいわ!賢い私はそんなひどい態度をとったことはありません。それとは関係ないですが、うちの主人は年収一千万円です(キリッ!)」という女性たちの声にそそのかされて一発で離婚しちゃうかもしれない。
いやいや、しかし、なんというか、生々しい物語だったなー。甘いところが一切ない、リアルな、自分に置き換えることも憚れるくらいリアルな物語でした。ONCEその後、というか、バッファロー’66その後、というか。
今日の自分メモ
・オリンパスのコンパクトデジカメ購入
・水道橋からはK-POP祭り、千駄ヶ谷からは嵐ファンにまみれた夜の総武線。空気がピンク色だった。

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