映画「ルイーサ」


ブエノスアイレスを舞台にした2008年の映画。猫と暮らす独居中年女性が見たらシャレにならなくてどっしりと落ち込めそうな場面から物語は始まります。
霊園での電話番とスター女優の手伝いを掛け持ちしながら、ブエノスアイレスのアパートでひっそりと暮らすルイーサ(レオノール・マンソ)。ある日、(物語の核心に触れるので割愛)、二つの仕事も失ってしまう。人付き合いが苦手なルイーサだったが、どうにかしてお金を稼ぐために地下鉄の駅である行動に出る。
どん詰まりまで追い込まれた彼女がやろうとしたことは、地下鉄での小銭稼ぎ。「私はHIVのキャリアで6人の子どもの面倒を見なくてはなりません」などと車内で口上をのべ、乗客たちから小銭を恵んでもらうというもの。やっていくうちにコツをつかみ、工夫もこらし、やがて孤独な彼女にも思わぬ仲間が生まれ・・・。

・・・海外の小品はその街での暮らしぶりを余すことなく見せてくれるから。彼女が住むアパートは、古く、がたんがたんいうエレベーターがあり、ドアは緑色、部屋の壁も緑色、ふるいかたちの冷蔵庫、長く使ってる貯金箱がわりの豆の缶、寝る前のアロマキャンドル(火の用心!)、色の濃いカーテンとシーツ・・・・。もちろん映画としての効果を狙っての小道具でもあるのだろうけど、質素に暮らす人はこんな感じのライフスタイルなのね。
そしてブエノスアイレスの地下鉄!香港のオクトパスカードのようなプリペイドカードで、改札も三叉のバーがガコンガコン回るタイプ。あれを見て、日本の改札ってほんっとスマートに作られているのね、って感心するとおもうよ!
地下鉄構内の乗換通路には「1ペソだよ!1ペソだよ!」となんだかよくわからないものを商っている人々が並び、 車内では「お恵みを」と練り歩く人々がいる。この作品は、地下鉄会社が、地下鉄を舞台にした長編脚本コンクールを行い、それを映画化したものだそうで、人々の足として暮らしに密着しているのですな。東京メトロのポエム募集とはちょっと違うわよね☆ 脚本書いた人は、観察眼豊かで、皮肉のうまい人らしく、あーわかるわかる、あの二代目バカ社長のあの仕草、そういう人いるわー、と地獄のミサワ目線でも楽しめます。
主人公は夫と娘を事故で失っているのですが、家族を失った悲しみなんて時間が解決できるものじゃないし、仕事を失い貯金も底をつくという状況は、住まいがあったとしても、人間としてなかなかに厳しく。
コメディ映画ということでしたが、震災のことを考えずにいられなくて。
この映画のキャッチコピーは「ドン底から立ち上がる」。

今日の日経土曜版に「万が一のときでも歩き通せる、ビジネス対応のシューズベスト5」にスコッチグレインのNLシリーズが紹介されてたー。ソールがゴムのがあるのよね、これは軽くて歩くのもしんどくないと思うわ☆

今日やったこと、本棚の棚卸。岳の1巻が行方不明なことと、スティール・ボール・ラン17巻が3冊あったことが発覚。

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