あらすじはギンレイホールのサイトから。
2005年、金融トレーダーのマイケルは巷で大量販売されている住宅ローンの暴落を予想し、巨額の保険金を手にできる金融取引を銀行と結ぶ。一方、ウォール街の銀行マン、ジャレッドはマイケルの動きを察知し… リーマンショックの裏側で本当にあった4人のアウトローたちの真実の物語!
で! こんな真面目ぶったジャケットじゃお客さんこないよねーということで生み出されたのがこの国内版です。
いやー。国内版のだけを見ると「イケメン4人が結託して、ウォール街に一泡吹かせてやるぜ! ヒャッハー!」的なビジュアルです。「あらっ! 当代いい男だらけのウルフ・オブ・ウォールストリート再びってところかしら、どうかちら!」と、胸をときめかせたくもなりますが、実際は違ったよ、まったくもって違ったよ。
『黄色ジャケットは幸せ映画の法則☆』のなんとなく景気良さそうなパッケージですが、違ったよ、まったくもって違ったよ。ギンレイホールで見てたけど、前から3列めの席に座っていたけど、それでも気がついた範囲でわたしより前の席の人が3人も上映途中で離脱して行ったよ、そして戻ってこなかったよ。
ワールド・ウォーZの上映後、日劇の女子トイレで「ブラピが出るっていってたからほんわかファミリーストーリーだと思ってたのに」とふるふるしていた人を見かけたけど、まぁそういうお話だったよ! ヒャッハー!!! だいたいブラピが「金を出すが、俺も出る」といって作る映画は「ちょっとの出演で、おいしいところは全部もっていくってことですのん、うしし」という作品が多ござる。まぁ多くてもいいんです、だって本作品のプロデューサーなんですもの。
物語の核となる『CDS』という金融商品はざっくりというと「それが破滅するということに賭ける商品」だと理解していたのですが、それでも映画の早い流れの中でみると「ぬぬぬ、ちょっと待って、クリスチャン・ベール、いまなんつった?」「スティーブ・カレルはいま、呆れてるんだよね? だよね? 倫理にもとるって顔してるってことなんだよね?」「この和食レストランで話してる相手は、日系企業の馬鹿なトレーダーってやくどころなの?」てな箇所も多く、劇場にいた人たちの八割近くの方が「ポカーン」としていたのではないでしょうか。「風立ちぬバカにはわからぬ映画です」などと上映中、何度か心の中でつぶやきました、つぶやきましたとも! もう一回見ようかな・・・と思ったりもしましたもの! そして作中の皆さんはまだiPhone を使ってないんですもの、ブラックベリー使ってるんですもの! 劇中の音楽がすごく効果的だったと思うわ! そういうところはさすがに垢抜けてるわよね! コメディ映画な部分もあったのに、誰も笑わないんですもの! ギンレイホールの客層はいつからこんなに物分りがよくなっちまったんだい? ここって笑っていいところじゃないですかー!
この映画の黄色ジャケットは「なんだかいいことしちゃったぜ、俺たち! 痛快だろ!?」みたいな感じに見せかけていますが、個人的には「バス男」レベルのゆるふわ邦題疑獄問題、「好きにならずにいられない」レベルのポスター問題ではないでしょうか! まったく爽快でない、苦くて苦い後味を残し風立ちぬ。みなさまもぜひー。ご夫婦で、パートナーとご一緒にぜひー。
公開当時、シェアーズカフェ・オンラインで解説コラムが掲載されましたね。これ読んでもさっぱりわからず、金融用語を理解してみるのは諦めましたよ、わたくしは。
http://sharescafe.net/48001631-20160305.html
ナポレオン・ダイナマイトの方が気になります!
「バス男」って「電車男」にひっかけた邦題だったと、
ウィキペディアに書いてありましたが、
その頃の映画なんですね。
青春か…。