冬終わる移民の国のウェスタン/映画「マグニフィセント・セブン」

マグニフィセント・セブン (字幕版)

冷酷非道な悪漢バーソロミュー・ボーグに支配された町で、彼に家族を殺されたエマは賞金稼ぎのサム、ギャンブラーのジョシュなど荒れ果てた大地にやってきた<ワケありのアウトロー7人>を雇って正義のための復讐を依頼する。最初は小遣い稼ぎのために集められたプロフェッショナルな即席集団だったが、圧倒的な人数と武器を誇る敵を前に一歩もひるむことなく拳銃、斧、ナイフ、弓矢などそれぞれの武器を手に命がけの戦いに挑んでいく―。

時間がぽかっと空いたので、ずさーっと劇場に滑り込んでみてきた。この映画を見るにあたっての前情報はこちら。
試写を見たあと「あの二人、デキてるって設定っすよね?」と配給会社の人に尋ねたら、イーサン・ホークとイ・ビョンホンはカメラが回っていないところでもイチャイチャしていたので、イーサン・ホークの大ファンらしいイ・ビョンホンの奥さんが夫にヤキモチを焼いていたという愉快な話を聞きました。

なんですって! イーサン・ホークとイ・ビョンホンがそんなにイチャコラしているというの!? さらにイーサン・ホークとイ・ビョンホンって同い年なんですって、同い年なんですって! イーサン・ホークがあんなにすてきな良き初老になってなんてすばらしい未来がやってきたものだとしみじみと感じ入っていたところに投げ込まれてきた「二人は同い年☆」情報。アジアの美男子俳優って年取らないねぇ。美肌だから? でも10年前ならイ・ビョンホンの役どころは真田広之が演じたところよね、残念。
それはさておき、イーサン・ホークとイ・ビョンホンと谷繁元信は同い年! さぁみんな覚えておきましょう。

以降、ネタバレ要素高いので、見に行くつもりの方はここでお戻りを。平均年齢高めのいい男の詰め合わせ松花堂弁当です、火薬と死体がちょっと多めですけれど☆ 

ネコへの恋文

岩合光昭の世界ネコ歩き

岩合光昭 世界の猫 2017 カレンダー ([カレンダー])

ねこのとけい (IWAGO'S BOOK)

 

集まってきたアウトローたちのリーダーは、黒人のデンゼル・ワシントン、ギャンブラーのアイルランド人クリス・プラット(イケのメンです)(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの人)、フランス系の賞金稼ぎイーサン・ホーク、山男のヴィンセント・ドノフリオ(ロード・オブ・ザ・リングでいうところのギムリのドワーフ)、謎の東洋人イ・ビョンホン、賞金首のメキシカンをマヌエル・ガルシア=ルルフォ、放浪中意気投合し合流してきたネイテイブインディアンのマーティン・センズメアー。なんとまぁ、立派な多国籍軍なのですよ! そして彼らが立ち向かう資本家バーソロミュー・ボーグを演じるのはピーター・サースガード、うわぁー悪役の顔! 最高だぜ! 

そのバーソロミュー・ボーグは悪辣な都市開発事業屋でもあるわけで、つまり不動産屋VSいろんな意味でマイノリティな人々のお話なんです。バーソロミュー・ボーグが「ロックフェラーはこんなところで立ち止まらない!」と突然叫ぶシーンがありました。「ロックフェラー」という単語が出てきたのは後にも先にもここだけでしたが、彼はロックフェラー財団の手先という設定なのですね。んまぁ!こんな時代からロックフェラー家は暗躍していたのですね。
そうよ、移民の国ですもの、半トランプ陣営ですもの、倒されるべきは白人資本家ですよ! 2015年夏に撮影されたそうですが、日本で公開された2017年の冬にこんな事態に陥っているなんて、製作時には誰も想像できなかったことでしょう。

エンタメ面の戦略としては、「ちょっとずつ違う色男、集めました!」というAKB的商法を。おおむね全員イケのメンですが、正義感強い激渋黒人おじさま(YOIでいうとヤコフ)、南北戦争のリビングレジェンドと名を馳せた有名スナイパー(YOIでいうとニキフォロフ)、酒に強い色男(YOIでいうとクリス)、早撃ち・ナイフ使いの俊敏な年齢不詳のアジア人(YOIでいうとイ・スンギル)、サンタ体型の山男(YOIでいうとマッカチン)、笑顔がチャーミングだけど全般的に図太いメキシカン(YOIでいうとレオ・デ・ラ・イグレシア)、裸が持ち味☆ネイテイブ・インディアン(YOIでいうとギオルギー・ポポーヴィッチ、なんで!?)、といったように「おくさまー、これだけ品揃えを豊富にしましたら、お好みの人材がひとりくらいいるでしょう?」とずらりと登場してきます。
さらにこの七人の中でそれぞれにブロマンスが炸裂! イーサン・ホークとイ・ビョンホンは、あ、うん、そうだよね、カップルなんだよね、ブロークバック・マウンテーン! 反目しあってたアイルランド人とメキシカンの心の交流、デンゼル・ワシントンとバーソロミュー・ボーグの最後の対決、などなど、なんて鼻血要素満載なお話だったのでしょう。ベネディクト・カンバーバッチとマッツ・アダルトフォロフ・ミケルセン目当てでドクター・ストレンジ見に行くんなら、こっちのが眼福映画やもしれんです。

ロケ地最高、アクション満載、ドンパチ大量、火薬&死体多め、平均年齢高めのいい男詰め合わせの松花堂弁当みたいなお買い得作品でした。133分もある作品だったのに90分くらいにしか感じなかったし。ハリウッドもたまには真剣にウェスタン作らないと、ウェスタン映画の制作メソッドが失われちゃうのかしらねぇと思いながら。期待してなかったけど、結構楽しめましたよ。デートムービーとしても、鑑賞後の反省会をセットした女子会ムービーとしてもお楽しみいただけることと存じます。イーサン・ホークがこんな巨大エンタメ作品に出たというだけあたしゃあたしゃあたしゃ!

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