巴旦杏悪魔は愛を奪えない/映画「パトリオット・デイ」

パトリオット・デイ [DVD]

ギンレイホールで。あらすじはギンレイホールのサイトから。
2013年4月15日。50万の観衆で賑わう中、伝統あるボストンマラソンが始まった。厳しい警戒態勢がしかれボストン警察のトミーは警備にあたっていたが、レースが最高潮を迎えた頃、ゴール付近で大爆発が発生した… ボストンマラソン爆弾テロ事件の裏側に迫り、犯人逮捕までの驚くべき102時間の真実を描く実録ドラマ!

事件が起きる半日ほど前から物語は始まります。新婚ほやほやのカップル、MITで働く青年、親の愛情と財力をたっぷりと注ぎ込まれてボストンにやってきた中国人の若い男の子、ボストン市警とは関係ない隣町の巡査部長、そして主人公の家庭。
こういう映画には無駄な配役なんて一人もいないとわかって見ているわけですが、え、つまりそれってあのカップルが、え、あの青年も? え、え、てなるとあの中国人の男の子はどんな目に遭ってしまうの・・・・きつい・・・と重い予感をはらみながら物語は進みます。(中略)物語は実際の事件の映像や写真を交えつつ進み(中略)、そして最後、この事件で犠牲になった方の写真や、負傷した人や警察関係者らのインタビューを交えてエンドロール。

いい映画でした。とてもいい映画でした、うぉぉぉぉ、すごくいい映画みちゃった。「ハドソン川の奇跡」のように、市井の人が粛々と職務を遂行する映画ってほんとうにいい。それがアメリカであればよりアメリカ的であってほしいし、イギリスであれば、苦難の際はパブにこもってビールを飲んでやり過ごすといったようによりイギリス的にあってほしい。そして日本の場合は、何度も何度も会議を重ねて「まずは君が落ち着け」などとペットボトルの水を渡してほしいものです。犯人が逮捕されたことを喜ぶ市民たちの姿がビン・ラディン殺害が成功したときのホワイトハウスの様子に重なり、それも含めてアメリカらしくはありましたが、そういう意味でも完璧な映画でした、というか実録ドラマなんですけれども。「ハドソン川の奇跡」の声を揃えて乗客たちを落ち着かさせてくれた客室乗務員たちの姿がまぶたに浮かんできますよ! 

主人公の警察のトミー役を「テッド」「ザ・ファイター」のマーク・ウォールバーグ、FBIの切れ者捜査官役をケヴィン・ベーコン、ボストン警察の良心ともいえる役どころをジョン・グッドマン、隣町の巡査部長をJ・K・シモンズ。ぐぉぉぉ、切れ者役のケヴィン・ベーコンがかっこいい、青いブレザーっぽいジャケットにパンツのケヴィン・ベーコンがかっこいい、どのくらいかっこいいかというとアウトレイジ・ビヨンドの加瀬亮並にかっこいい。スーツ中年が好きな人はこれだけでも眼福映画。J K Simmons の律儀にタバコを吸う姿なんてオノ・ナツメさんの漫画に出てきそうな渋さよ。

アメリカの実録映画がこういうので、日本の実録映画が「凶悪」なのかと思うと、えぇ、もう、うふふ、すごいわよね、温度差がね。

凶悪 [DVD]

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