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BLの生まれた現場覗きをり/竹宮恵子「少年の名はジルベール」

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少年の名はジルベール

すすすすすごく面白かった!! 竹宮恵子さんがデビューしてから大きなホニャララを抱えた後に「風と木の詩」を連載するまでの、青春の2年間を描いたエッセイ。

萩尾望都さんと竹宮恵子さんが「大泉サロン」に同居していたことも、萩尾望都さんと竹宮恵子さんと山岸凉子さんと増山法恵さんが1971年にナホトカ港経由で45日間の欧州旅行に行ったことも、竹宮氏が「風と木の詩」の連載を勝ち取るためにあらゆる努力をしたことも全く知らなかった私にとっては、大変刺激的な内容でした。ナホトカ港経由って!林芙美子かよ!

「風と木の詩」は実は一度も読んだことなく、よしながふみさんの「きのう何食べた?」で初めてその固有名詞を知ったくらい。あぁこういう世界があったのだなぁ、これはなんとしても読まなくてはと思っている次第です。戦う女の子たちの革命の物語、女性のキャリア形成としても名言頻出御本でした。

男性編集者が思い描く女の子らしいハッピーエンドのお話を書けという、「そもそも結ばれた先に何が待っているのか? 考えなくてもいいの?」「女の人生がキスしたところで終わるわけないじゃん。むしろそこからじゃない?」

「一条さんはアシスタントを大勢抱えていて、それぞれの才能を引き出して、ダイナミックかつ多様な表現で作品を作り上げていくことで定評があった」、そうだったのか!!! 

読者アンケートで一位をとったら「風と木の詩を連載してもいい」と承諾をとりつけた竹宮氏、毎回締め切りギリギリになりつつもノリにのって作品を描く、しかし最後の最後で一位は取れない、でもがんばったから連載できますよね、と担当氏に交渉すると「1位を取るために、相当な努力をされていることも、悩んでいることも知っています。でもですね、同じ順位の作家が2人いて、どちらかを選ばなければいけないとしたら、編集者は当然、締切を守る人を選びます。極端な話、そのときは中身なんか見ません。竹宮さんの最大の課題は、そこだと思います」。締め切り・・大事だよね・・・・。大事ですとも・・・。

それにしても、4人のヨーロッパ旅行はどれだけ刺激に満ちた、有意義な旅だったことでしょう! 45日間で旅費は75万円、一日の食費は千円と決めて貧乏旅行を楽しんだとのこと。1971年の大卒初任給って46,400円なんですよ・・ざっくりと5万と計算しましょう、同世代のサラリーマン1年分の年収つぎ込んで欧州に行くってそらあんた・・・そらあんた・・・そらあんた!!!! 昭和40年代の売れっ子少女漫画家・・・すげえ・・・ごくり・・・・。

仕事に悩んでいる人は、分野が違えど、自分がいまなにをすべきかなんらかの指針を得られる御本ではないでしょうかどうでしょうか。ご興味ありましたらぜひー。

トーマスクック ヨーロッパ鉄道時刻表 2012冬・春号

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