ダーシェンカかわいいおまえはダーシェンカ/カレル・チェペック「DASENKA ダーシェンカ」

ダーシェンカ (新潮文庫)

1998年の本、なかなか見つからなかったので図書館で借りました。

チェコの国民的作家・カレル・チャペックが書いた子犬のお話。いまでいえば超・抜粋ペットブログ。フォックス・テリアの子犬のダーシェンカ。里親に出すまでの短い間、その子犬に萌え萌えとなってしまった男性作家の悶絶っぷりを時空を越えて楽しむ作品。

子犬のダーシェンカがおとなしくしてくれないので、カレル・チャペックが話しかける。

「はーあぁー、もー、どうしてダーシェンカはいい子でいられないんだい?(ニヤニヤしながら) 僕がお話を作るからいい子になってくれるかな?(ニヤニヤしながら) じゃぁ物語を始めるよ(ニヤニヤしながら)。 むかしむk・・・、あっどこ行くんだ、ダーシェンカ!?(ニヤニヤしながら) 僕がっ、はなしをはじ・・、あ、こら、ダーシェンカーーーー!!!!(ニヤニヤしながら)」という小編集です。

 

神様がどうやって犬をつくったのかを順番を追って話してくれる「グレイハウンド、そしてほかの犬たちについて」という物語がよかったです。

神様は最初に骨の山と肉の山と毛の山を用意し、それらからフォックス・テリアとワイヤヘアード・テリアを作りたもうたのです。このふたつの犬を作って満足した神様は、お昼休みの時間になったのでランチを食べに行ってしまいました。そのとき、一匹の野うさぎがやってきて、残った三つの山をごちゃごちゃにしてしまったのです。そこから生まれたのがグレイハウンド、次に生まれたのがブルドックとボクサー、次にセントバーナード、そしてプードル、その次にペキニーズ犬。最後に生まれたのがダックスフンド。

神様が席をはずした折にごちゃごちゃになった山が、どうやって分配されてこの順番で犬になったのかよくわかる本当にかわいらしい短い物語です。どんな経緯でそうなったのかは読んでみてのお楽しみ。この猫版の物語があったらどこかで読んでみたいものです。

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