男子の着物は腰で着る

浴衣道場サードシーズン。
浴衣姿の殿方を見かける季節になってまいりました。「おっ、兄さん、小千谷縮を着てるのだね」「なかなか渋いしじら織じゃぁないかい」とココロの中でいちいち目を細めてみているのですけどね、「あんたぁ、どうして裾がバカボンになっちゃってるの?」と思うこともしばしば。
裾の下にむき出しに見える足の長さは、個人の体格によってまちまちになると思うのですよ。それはありだと思うのですよ。知り合いのKさんは裾がいつもちょっと短いけれど、その短さは、逆に彼の魅力と個性を増幅させているような気さえするわ。毎日着物で過ごしている男性だからこそ、着慣れていて、どの丈が動きやすくて、どうすれば見た目もよくなるか熟知してらっしゃるのだと思います。
夏の間だけでも浴衣を着ようという男性、すばらしいと思います。えらい! 脇が詰まっていて意外と暑く感じるかもしれないけど、本当にえらい! なので、あともひとつお願いいたします。裾を広げて着ないで。裾がつぼまっていたら、めっさめっさの男前になると思います。
どうして裾が広がるのかといいますと、帯を締める位置が高いのだと思います。女性の場合は腰の一番細いところで帯を締めますが、男性は違うのよね。よくわからないのだけど、腰骨のあたりに引っかかるような位置がちょうどよいのかしら? 腰の細いところで帯を締めると、お端折りがない着物姿ですから、帯の上と帯の下のふたつに着物が分かれてしまい、結果、抑えがきかなくて裾が広がるんじゃないかしら。低い位置で締めると、ウェストから足に向かってきれいな流れができると思います。おなかまわりの厚みが不安だったら、手ぬぐいやタオルを入れてウェストをゆったりさせてください。帯は、おなか側から背中にかけてゆるく上向きになるように締めるとより玄人度がアップ! 是非に!
新浦安の着物屋さん「すゞし」さんで、夏の間の金曜日に浴衣着付け教室をやってます。ちょっと遠いんだけど、足を伸ばせる人は伸ばしてみてください。目からウロコの情報たっぷりの着付け教室ですよ。早めに行って、千葉の球場で野球を見るとか、鼠が牛耳る暗黒帝国のアフター6パスポートで楽しむもよいかと思います。

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